毎月1000人の認知症患者を診る医師が、医学的に正しい脳の使い方を指南してくれる本があります。
本日紹介するのは、名古屋市立大学医学部を卒業し、医学博士、日本神経学会専門医、日本老年病学会専門医の長谷川嘉哉さんが書いた、こちらの新刊新書です。
長谷川嘉哉『一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識』(PHP新書)
この本は、「人生100年時代」の長生きを「幸せな長生き」にするために最も重要なことは、脳のパフォーマンスを保つことだ、と述べて、年齢を重ねても明晰で、知的生産を行うことのできる「一生使える脳」を育むために必要な習慣を説明している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.一生使える脳、一生使えない脳
2.「一生使えない脳」になる前兆は40代から現れる
3.脳の「ワーキングメモリ」を向上させる生活習慣
4.「一生使える脳」を支える身体づくり
5.「一生使える脳」を保つ環境整備
この本の冒頭で著者は、最新の脳科学の研究では、脳への適切な刺激と生活習慣の改善によって、何歳でも脳のパフォーマンスは向上することがわかってきた、と述べています。
そして、「一生使える脳」を育んだ人は、次の3つの法則を実践している、と著者は言います。
1.脳の整え方を知っている
2.健康のコツを知っている
3.周りに頼れる環境を作っている
最初の法則は、アウトプットを繰り返すことやメモを使って思考を整理することなど、知的生産に欠かせない脳のワーキングメモリの働きを保つ習慣です。
2番目の法則は、健康寿命を伸ばす習慣です。
3番目の法則は、家族や友人、知人を含めた人間関係と、IT機器も外部の脳として役立てるなど、外部環境の習慣です。
とくに、ワーキングメモリの働きについては重要で、次の4つの働きがあります。
◆ 情報に優先順位をつけてから処理する
◆ 情報を利用して作業できるように、一時的に保存する
◆ ワーキングメモリが処理できる情報のキャパシティは5つから7つ
◆ 短期記憶と長期記憶の橋渡し役
さらに、記憶力をよくするのは、思い出せるようにすることで、①記憶のフックを刺激する、②情報はインプット以上にアウトプットの機会を重視する、ことが大切です。
一方、「一生使えない脳」にしてしまう原因として、以下の4点に留意すべきだとしています。
◆ 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病
◆ 好きなだけタバコを吸い、好きなだけ酒を飲む(寿命は65歳)
◆ 過去1ヶ月間、有酸素運動をしたことがない
◆ 言い間違いを指摘されたとき、カッとなる
次に、脳の「ワーキングメモリ」を向上させる生活習慣として、次の6つの手法を紹介しています。
◆ 「すぐやる、メモする、書き出す」ことでワーキングメモリを解放する
◆ 初めての動作も習慣化することで潜在記憶になり、ワーキングメモリに負荷をかけずに実行できる
◆ A4一枚アウトプット読書法
◆ 思い出せなかったノート
◆ 回想療法
◆ デュアルタスク・トレーニング
馴染みのない言葉もあるかも知れません。詳しくはぜひ、本書を手に取ってお読みください。
また、「一生使える脳」を支える身体づくりとして、以下の習慣を紹介しています。
◆ 食の新習慣(卵を食べて、プロテインスコアを重視)
◆ 一日一食の糖質制限
◆ 自然塩でマグネシウムの補強を
◆ ガムを噛んで咀嚼回数を増やし、認知症を遠ざける
◆ 有酸素運動が、老化の原因となる「酸化」と「糖化」を遅らせる
◆ 筋トレは基礎代謝を高める
◆ ムキムキななる筋トレは、中高年には不要
◆ ストレッチは、忘れていた運動習慣を取り戻す呼び水になる
最後に、「一生使える脳」にする外部環境としては、以下のようなことが挙げられます。
◆ 完全リタイアすることを選ばない
◆ 思いをすぐに実行に移す行動力を持っている
◆ 誘われたら断らない、年上・年下の友人を多く持っている
◆ 家族を思い、思われる関係性を築こうと心がける
◆ スマホを外部脳として活用
◆ よりよい睡眠のコツを知っている
あなたも本書を読んで、「一生使える脳」を手に入れてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を