「私の人生はこれでよいのだろうか」、「間違ってはいなかったか」、「ここらで人生を変える必要があるのではないか」と、ほとんどすべての人が悩みます。
そんな悩みに明快に答えてくれる書があります。本日紹介するのは、金融機関から経営コンサルタントとして独立し、小説家に転進した加藤廣さんが書いた、こちらの本です。
加藤廣『意にかなう人生』(新潮新書)
この本は、「意に適わないサラリーマン人生」を50歳で捨てた著者の体験から、その間のあれこれの悩み、物の見方、考え方を変えて今日に至っている過程やそこで得られたものを伝えるために書かれています。
人生の五つの計を含む16講
「人生に五つの計あり」と言いますが、それらを含めて、本書は以下の16講から成っています。
1.生きること、働くこと
2.意に適う人生でなければ
3、イジメについての体験的考察
4.男はなぜ疲れているのか
5.性の戦いの勝利者、敗北者
6.子どもをつくること、育てること
7.必要条件としてのオカネ論
8.自由か、それとも平等か
9.本当の豊かさを求めて
10.エリートについて
11.役人について
12.公僕の正しいあり方
13.人生の五計について
14.家計について
15.老計について
16.死計について
これらのテーマは、いずれもサラリーマンにとって興味深いものです。冒頭の「生きること、働くこと」というテーマは、人生と仕事の関係について考察されており、どの世代の会社員にも参考になります。
著者の尺度は明快で、要するに「意に適うかどうか」ということで判断せよ、ということです。確かに人生は一度限り、誰にでも命の限りがあり、「悔いを残さない生き方」が大切だとする加藤さんの生き方・考え方に私も深い共感を覚えました。
「人生二毛作」の達人・加藤廣さんの人生設計とは?
著者の加藤さんは、東京大学法学部を卒業後、政府系金融機関である中小企業金融公庫、山一證券に勤務した後、50歳で独立されました。
独立後は、経営コンサルタント、経営評論家、大学講師、そして2005年、75歳の時に作家としてデビューしています。「信長の棺」、「秀吉の枷」、「明智左馬助の恋」の本能寺三部作はベストセラーになりました。
著者の加藤さんは「意に適わない」会社員人生に別れを告げて50歳で独立しましたが、「遅きに失した感もある」と述べています。
先般、このブログで紹介した、楠木新『「こころの定年」を乗り越えろ-40歳からの「複業」のススメ』(朝日新書)にあったように、組織で働くことに悩む40歳前後に、新たな人生に踏み出すのがいいタイミングかも知れません。
https://jun-ohsugi.com/column/kokoronoteinenwo
また、昨日のブログで紹介した、安田登『身体感覚で「論語」を読みなおす』(春秋社)では、40歳は「不惑」ではなく、「不域」であって、「もっと活動領域を広げよ!」という意味だとすると、孔子も人生の新しい方向への転換を奨めているのかも知れません。
https://jun-ohsugi.com/column/sintaikannkakuderongo
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では、今日もハッピーな1日を!