書評ブログ

『大往生のコツ ほどよくわがままに生きる』

「言いたいことをいい、食べたいものを好きなように食べて、お酒も飲んで、そのほうが心も体も元気でいられます。」「ただし、過ぎたるは及ばざるがごとし。食べ過ぎ、飲み過ぎがよくないのはもちろん、人間関係においても自分の我を通すことばかり考えていては、幸せから遠ざかってしまいます。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1948年岐阜県生まれ、名古屋大学医学部卒業、名古屋大学医学部付属病院第二内科(循環器)を経て、小笠原内科を開院、現在は医療法人聖徳会 小笠原内科・岐阜在宅ケアクリニック院長、医学博士、浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職小笠原文雄さんが書いた、こちらの書籍です。

 

小笠原文雄『大往生のコツ ほどよくわがままに生きる』(アスコム)

 

この本は、人生の終盤を幸せに過ごし、ほほえんで最期を迎えるためのコツを書いた本です。

 

本書は以下の7部構成から成っています。

1.我慢こそ、健康の大敵

2.「ほどよくわがまま」になれる心構え

3.笑顔で長生きするための生活習慣

4.認知症を怖れなくていい

5.おひとりさまでも幸せに旅立てる

6.病院が「幸せな老後」を妨げる

7.人生の最期を自宅で安らかに過ごす方法

 

この本の冒頭で著者は、「在宅で治療を受けると大勢の方が安らか、朗らかに生きて、清らかに旅立てている」と述べています。

 

本書の前半では、「我慢こそ、健康の大敵および「ほどよくわがままになれる心構え」ついて以下のポイントを説明しています。

◆ 我慢をしないほうが笑顔で長生きできる

◆ 朗らかに笑って毎日を過ごせば、免疫細胞が活性化して免疫力が上がる

◆ 抗がん剤よりも「やりがい」が寿命を延ばす

◆ 在宅医療を受けるために、誰かが我慢する必要はない

 

◆ 最期まで生きたい「処」が定まれば、こころ定まる

◆ 自宅だからこそ、緩和ケアがうまくできる

◆ 人生の「四苦」を乗り越える仏教の言葉「忘己利他」と「如来利他」

◆ 死に恐怖や不安を抱くのは、当たり前

 

この本の中盤では、「笑顔で長生きするための生活習慣」「認知症を怖れなくていい」および「おひとりさまでも幸せに旅立てる」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 腹八分目を習慣にすれば、医者はいらない

◆ 食事は栄養バランスより「幸福感」が大事

◆ 口から食べることで、食欲が湧いて、生きる意欲につながる

◆ 血管が広がる「あくび体操」

◆ 自宅で過ごす、食べたいものを食べる、眠れるときに寝る

 

◆「廊下」と「老化」は誰もが通る道

◆「ありがとう」の気持ちを持てたら、清らかに旅立てる

◆「生き甲斐」が延命効果をもたらす

◆ 死を意識したとき、何を思うかは人それぞれ

 

本書の後半では、「病院が幸せな老後を妨げるおよび「人生の最期を自宅で安らかに過ごす方法」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ がんは告知した人のほうが長生きする

◆ がんには積極的に治療する意味があるものとないものがある

◆ がんの痛みには緩和ケア(モルヒネなど医療用麻薬の投与)が必要

◆ 現代の医療用麻薬は中毒にならず副作用を抑える

 

◆ ACP(Advance Care Planning=人生会議)は繰り返し行う

◆ THP(トータルヘルスプランナー)は在宅医療のキーパーソン

◆ 信頼できる「かかりつけ医」を見つけておく

◆ 在宅ホスピス緩和ケアで最期まで笑顔

◆「旅立つまでのプロセス」(食べられない⇒幻聴・幻視⇒死前喘鳴⇒下顎呼吸)

 

この本の締めくくりとして著者は、以下の3つのメッセージを記しています。

「病院では苦しんでいた患者さんが、家に帰ると痛みや不安が消えて、朗らかに暮らせる」

「笑うから、長生きする。そおしてコロッと旅立てる」

「がんになっても、ひとり暮らしでも、お金がなくても、最期まで家で暮らせる」

 

あなたも本書を読んで、3000人を看取った在宅ホスピス医・僧侶から「人生の最期まで笑顔で過ごす方法」を学び、ほどよくわがままに生きていきませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3498日目】