「今の高齢者と、現役世代が高齢者になる時代と、置かれる環境は全く違うことになります。これからは『1億総おひとりさま時代』を生き抜かねばならないのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、専業主婦であった30歳のときに、乳飲み子を抱えて離婚、シングルマザーとして6年にわたる極貧生活を経て、働きながら司法書士試験に合格、これまで延べ3000件近くの家賃滞納者の明け渡し訴訟手続きを受託してきた賃貸トラブルのパイオニア的存在で、OAG司法書士事務所法人・代表司法書士、株式会社OAGライフサポート代表取締役の太田垣章子さんが書いた、こちらの新刊新書です。
太田垣章子『あなたが独りで倒れて困ること30』(ポプラ社)
この本は、1億総おひとりさま時代に、死ぬ時のことを考えて、何が問題で、何を決断する必要があるのか、どう備えるのか、そこに気づいて欲しくて、対策のポイントをまとめた書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.あなたはどのタイプ?
2.おひとりさまリスク「お金の問題」
3.おひとりさまリスク「住まいの問題」
4.おひとりさまリスク「健康の問題」
5.おひとりさまリスク「家族の問題」
この本の冒頭で著者は、「結婚していようといまいと、子どもがいようといまいと、パートナーがいようといまいと、そんなことは関係ありません。人生を楽しく生き抜くために、自分の人生を自分で決める。個々が自立する。そうあるべくだと、私は考えています。」と述べています。
本書の前半では、「あなたはどのタイプ?」および「おひとりさまリスク『お金の問題』」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 人生のタイプ別に、それぞれの最期が待っている
◆ 法廷後見より任意後見がおすすめ
◆自分の貯めたお金は最期まで自分のために使えるようにしておく
◆ 自分が認知症になるということを一度イメージしてみる
◆ 老後の資金も明確にしておけば不安はなくなる
◆ エンディングノートに法的効力はない
◆ 公正証書遺言がおすすめ、自筆証書遺言は裁判所の兼任手続きが必要
◆ 遺言書は「全国民の義務」くらいに考えて、ぜひ作成を
この本の中盤では、「おひとりさまリスク『住まいの問題』」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 70歳を超えるとお金を持っていても部屋を貸してもらいにくくなる
◆ 引っ越しのリミットは「60代前半まで」と覚えておく
◆ 住む場所の検討は現役世代の間に
◆ 住まいは生きる拠点、目先ではなく80代になった時を想定してみる
◆ 人生の最期をどこで迎えた以下はライフプランと関係してくる
◆ 賃貸に住んでいる人は亡くなった後の手続きを託しておく
◆ 自分が家賃を払い続けられるかどうか、持ち金も含めて把握する
◆ 高齢者住宅にはさまざまな種類、特徴がある
本書の後半では、「おひとりさまリスク『健康の問題』」および「おひとりさまリスク『家族の問題』」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 自分が倒れた時に誰が見つけてくれるのか想定してみる
◆ 自分で自分の要介護新星なんてできない
◆ 死後事務委任とは、亡くなった際の最後の支払いや火葬・葬儀・納骨など亡くなった後の手続きを依頼する契約
◆ 認知症保険が必要かどうか、しっかり見極めを
◆ 身元保証人は入院でも必要
◆ 延命治療など自分の最期は自分で決めて託しておく
◆ 不安は人生の大敵、ぜひ施設の見学を
◆ 身元保証会社を利用する人も増加
◆ 墓じまいのことを一度は考えてみる
◆ 自分の死後についても責任を持つ
◆ 今の日本では戸籍の力は強い
◆ 家族や友人とは愛情で繋がり、サポートはお金で買う
この本の締めくくりとして著者は、老後を迎えるにあたっていちばん大切なことは、「まずは自立すること」です、と述べています。
そして、「人は誰もが『おひとりさま』です。少子高齢化の今後の日本では、備えていない者は、もう人の善意でサポートしてもらうことはできません。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「独りで倒れて困ること30」を学び、「1億総おひとりさま時代」を生き抜くヒントをつかんで、しっかりと備えていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3266日目】