「人の心を見分けることができれば、仕事や人生の多くの問題は解決できるはず」と、提唱している本があります。
本日紹介するのは、出口光さんが書いた、こちらの書です。
出口光『人の心が手に取るように見えてくる』(中経出版)
この本は、「人の心の見分け方」を、人と対面し、その人の心の奥底にある不動の本質を捉まえる「四魂の窓」という新しい手法について解説した書です。
厄介なことに、人の心は千変万化し、とらえきれるものではありません。したがって、心理学の分野では、「性格」あるいは「パーソナリティ」という比較的変化のない側面を対象に、人の心をとらえようとしてきました。
「性格テスト」や「適性診断」などはこの流れですが、本書で提唱する「人の心の見分け方」は、それとは異なり、ただその人と向かい合い、真摯に相手の話を聴くだけで、その人の本質を掴むことができる、というものです。
生年月日による占星術や東洋占術、血液型による性格診断とも大きく異なる、新しい手法です。
本書は以下の大きな3幕構成の中で、計8段の項目に分かれています。
1.「序」: 基本的な人の見分け方-「四魂の窓」の法則
2.「破」: 見分け方の達人になる-「四魂の窓」の応用
3.「急」: 本当の自分を磨く-「四魂の窓」を超える
本書の冒頭で著者は、「この本の読み方」と題して、「序破急」という宇宙のリズムに乗せて、本書の構成や読み方を説明しています。
ものごとには必ず始まりがあり、それが展開し、結末があります。それが「序破急」です。室町時代に能楽を大成した世阿弥は、このような構造は森羅万象のすべてにあり、しかもそれにはリズムがある、と言います。
「生きる」ことにも「序破急」のリズムがあります。最初は、家庭と学校で人生の基礎を学び、次にそれを応用して人生を展開し、遂には独自の人生を歩み天命や天職ともいえる境地に達することができる可能性を秘めています。
しかも人生の三幕構成のテンポは、最初はゆっくりで、力強くなり、最後は結実に向かって急速に速くなっていく、ということです。
この本は、世阿弥がいう「序破急」のリズムに乗せて、次のように展開します。
◆ 第一幕「序」: 自分と人の心の新しい見分け方の基本を獲得する
◆ 第二幕「破」: これまでの心の見方を突破し、新しい見方を人生に応用する
◆ 第三幕「急」: 新しい人の見方があなたを磨き、人生を豊かに実らせる
以上のように進みますので、飛ばさずに順番に読むことを著者は注意しています。また、周りの人を思い浮かべながら、さらには自分の人生を観察しながら読んで欲しい、ということです。
また、世阿弥の言う「離見の見」という考え方も紹介されていて、これは、「もうひとりの自分が離れたところから客観的に自分を見る」という、とても大切な考え方です。
また、大きな三幕構成の中で、以下の8段の項目に分かれています。
1.心を知りたい
2.ココロの奥にある本質
3.人の本質を見分ける-「四魂の窓」の法則
4.人が人生で求めるもの
5.大きな成果を生む
6.互いの関係で見分ける
7.秘された自分を見分ける
8.本当の自分を築く
本書の核心部分は、上記3にて説明されている「四魂の窓」の法則ですが、具体的な内容詳細はぜひ、本書を通読していただきたいと思います。
結論部分だけを紹介すると、以下の通りです。
人のココロを知るために、以下の2つの質問を、心の中で問いかけます。
◆ 「あなたは、情熱的(HOT)ですか、それとも冷静(COOL)ですか?」
◆ 「あなたは、合理的(DRY)ですか、それとも情緒的(WET)ですか?」
この二つの質問に対する回答の組み合わせ(マトリックス)によって、人は四つの魂(心の本質)タイプに分かれます。
1.情熱的で合理的(HOT&DRY); 「勇」-とても行動的<達成>
2.冷静で情緒的(COOL&WET); 「親」-平和を好む<調和>
3.情熱的で情緒的(HOT&WET); 「愛」-思いやりあふれる<相愛>
4.冷静で合理的(COOL&DRY); 「智」-好奇心が強い<真理>
それぞれの「魂」のタイプは奥深く、また全ての人が、そのいずれの側面も持っていますが、どの「魂」を強く持っているかで、心の中、考え方、生き方、価値観、人生観が異なってくる、ということです。
興味ある方はぜひ、本書を手に取って通読することをお薦めします。あなたも本書を読んで、「人の心が手に取るように見えてくる」境地をめざしませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!