人間以外の動物は死を恐れない。なぜ人間は「死ぬのが怖い」のか?と問いかけて、霊魂から脳のクオリア、宗教、心理学、進化論、哲学、脳科学までの分野を横断して人類共通の悩みに迫る本があります。
本日紹介するのは、慶応義塾大学理工学部大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授で工学博士の前野隆司さんが書いた、こちらの書籍です。
前野隆司『霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか』(講談社+α文庫)
この本は、システムデザイン・マネジメント学という学問を構成する以下の3分野を学問横断的に、システムとして俯瞰的に見るために、その中の要素として「死」をどうとらえるかという研究結果を示すために書かれたものです。
◆ 心の哲学(心はなぜどのように存在していて、これからどうなるのか)
◆ 倫理学(どう生きるべきか)
◆ 幸福学と教育学(人間はどう生きれば幸せになれるのか)
本書は以下の12部構成から成っています。
1.自分という存在の孤独
2.人はなぜ死ぬのが怖いのか?-脳科学、進化生物学でどこまでわかるか
3.死後の世界や霊魂は存在しないのか?-宗教の死生観を科学的に考える
4.死ぬのが怖くなくなる方法がある-死の統合学、システムデザイン・マネジメント学
5.ルート1「お前はすでに死んでいる」-心は幻想だと理解する道
6.ルート2「自殺は悪か?」-すぐ死ぬこと、あとで死ぬことの違いを考える道
7.ルート3「人生は0.18秒」-自分の小ささを客観視する道
8.ルート4「死の瞬間は存在するか?」-主観時間は幻想だと理解する道
9.ルート5「あなたというメディア」-自己とは定義の結果だと理解する道
10.ルート6「達人へのループを描け」-幸福研究からのアプローチ
11.ルート7「いい湯だな ♪」-リラクゼーションと東洋思想からのアプローチ
12.死ぬのは怖くない
この本の冒頭で著者は、ダーウィンが分類した「7つの感情」を以下の通り紹介しています。
◆ 幸福
◆ 驚き
◆ 恐怖
◆ 怒り
◆ 悲しみ
◆ 嫌悪
◆ 軽蔑
そして、感情がコミュニケーションを高度化すると著者は述べていて、そのことによって行動の高度化が可能になり、生物は感情を持つ人間に「進化」したと説明しています。
次に人間の特徴として、未来を考えられるから死が怖いとしています。
さらに本書の中盤以降では、以下のようなテーマが取り上げられていて参考になります。
◆ 死後の世界
◆ 宗教における神
◆ 宗教と哲学は死を解決できない
◆ 死の統合学、システムデザインマネジメント学で死は怖くなくなる
また、この本の後半では、「死を超越する」7つの登山道が示されています。
1.脳科学の道
2.時間的俯瞰思考の道
3.客観的スケール思考の道
4.主観的スケール思考の道
5.自他非分離の道
6.幸福学の道
7.思想の道
それぞれのルートについて詳細は、ぜひこの本を手に取ってお読みください。
あなたも本書を読んで、「死ぬこと」について改めて科学的に考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を