「やってみなければわからなかったであろうことの中でも、とくに新鮮な発見だったのは、年収が下がって底打ち状態なったのに、それにつられてお金に対する不安も減っていった、ということでした。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1985年愛知県生まれ、東京で週休5日の隠居生活を始め、年収100万円以下でも6年間暮らし、現在は台湾に移住し、「海外でも隠居生活ができるのか」を実験中の大原扁理さんが書いた、こちらの書籍です。
大原扁理『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)
この本は、著者が隠居生活の中で体験した、「年収が下がるにつれて経済的不安からも解放される」という不思議な現象の当事者として、あの頃の著者が、どう考え、行動し、お金に対する考え方や接し方がどんなふうに変わっていったのかを記した書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.隠居生活のアウトライン
2.まずは辛い場所から抜け出す
3.落ち着いた生活をつくりあげる
4.手にしたお金で、自分はどう生きたいのか?
5.お金に対する見方・考え方の変化
6.お金と話す、お金と遊ぶ
この本の冒頭で著者は、「お金について私が知っていることは、自分の経験から得たごく小さな範囲のことだけです。それでも、私が発見したことを書くことで、読んでくださった方の、お金との向き合い方を、ひいては自分の在り方を、見つめ直す何かしらのヒントになれば、こんなに嬉しいことはありません。」と述べています。
本書の前半では、「隠居生活のアウトライン」および「まずは辛い場所から抜け出す」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 東京郊外・国分寺市のアパート2万8千円の激安物件
◆ 3食自炊して、食費は1日300円
◆ 服は衣装ケースに入るだけ、携帯は持たない
◆ 冷暖房を使わず、徒歩・自転車県内で生活
◆ お金は「自分がどうありたいか」の一部
◆ 家賃を払うためになぜこんなに働かなくてはいけないのか
◆ 目標を持たないメリットは、①ささとそこから抜け出す、②思わぬ展開を楽しみ、受け入れる
◆ 完璧を求めず、一気にやろうとしない
この本の中盤では、「落ち着いた生活をつくりあげる」および「手にしたお金で、自分はどう生きたいのか?」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 自分には何が必要で不要か、何が合っていて合っていないか
◆ 自分でどうにかできること、できないことを分けて考える
◆ 生活の大半をルーティンで回す
◆ ルーティンをアップデートする(効果減や新たな理想)
◆ 人間関係の強制リセット
◆ 他人の生き方を学ぶ
◆ 世界をカスタマイズしていく
◆ 変わってしまっても大丈夫
◆ 毎月の支出、最低生活費を把握する
◆ 最低生活費から、どれくらいの時間働くかを逆算する
◆ お金を使わなくても、自分でできることを増やす
◆ 自由や幸せをお金に依存しない
本書の後半では、「お金に対する見方・考え方の変化」および「お金と話す、お金と遊ぶ」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 個人的に続いて欲しいお店の店頭で対価を払う
◆ 個人と社会の豊かさを両立する
◆ 好きでやっている仕事はお金に関係なく楽しい
◆ 社会という銀行に貯金する
◆ お金を人格化すると愛着がわいてくる
◆ お金を大切に扱う(感謝する・整える。謝る・説教する)
◆ お金にはずかしくないように
◆ なぜお金がないのか、お金の気持ちになって考えてみる
この本の巻末には、「豊かさってなんだろう?」というテーマで、フリーライターの鶴見斉さんと著者・大原扁理さんとの対談が掲載されています。主なポイントは次の通りです。
◆ お金を介さない「小さくても豊かな経済の作り方」がある
◆ 何でもかんでも貨幣のトンネルを通す必要はない
◆ 労働に向いてない人も世の中にいっぱいいる
◆ 週5で働くきつい人生が当たり前になっている
◆「お金じゃない能力」を高める
◆ 歳を取ったらソーシャルキャピタルの活用も
◆ 伝統的な社会の中では、お金をほとんど使わずに暮らしている人がいる
◆ 大事なのは、自分の生きづらさを軽減すること
◆「0円で生きる」は人との繋がりによってオルタナティブな経済を作る
◆ 別の生き方を求める現代の「イージーライダー」
あなたも本書を読んで、なるべく働きたくない人の生存戦略を学び、別の生き方を考えるヒントにしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2996日目】