「人間の寿命は長くなり、会社の寿命は短くなる中で、幸せを感じながら生き抜くには、社内で成果を残しながら、歳を取っても社外で必要とされる人材になっていく必要がある」と説いている本があります。
本日紹介するのは、国内大手及び外資系通信会社勤務を経て、ITベンチャーの起業、日本マイクロソフトの業務執行役員として、Office事業部を統括した後に、働き方改革を支援する株式会社クロスリバーを設立して500社以上の働き方改革を支援する越川慎司さんが書いた、こちらの書籍です。
越川慎司『働きアリからの脱出:個人で始める働き方改革』(集英社)
この本は、会社が変わるのを待たず、個人で始める「働き方改革」のための書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「働き方改革」は個人が成長するチャンス
2.100年ライフで知っておくべき3つのこと
3.働きアリから脱出して目指すべきもの
4.脱出に必要な5つの気構え
5.内円で時間を創り出す
6.今日からできる働き方改革(ソフトスキル編)
7.今日からできる働き方改革(業務スキル編)
この本の冒頭で著者は、「日本人の特徴的な点は、幸せを感じているのが、仕事時間外であるということです。」と述べています。
つまり、人生の半分近くを占める働く時間に幸せを感じていないのは勿体ない、と著者は指摘しています。
働きがいを感じるポイントは、「承認」「達成」「自由」の3つです。
とくに「自由」に関しては、次の4つを含むものです。
1.仕事内容の自由
2.働き方の自由
3.時間の使い方の自由
4.経済的な自由
したがって、自分の幸せと会社の成長を両立させる仕組みが必要になります。
次に、「人生100年時代に知っておくべき3つのこと」として、著者は以下の3点を挙げています。
◆ 65歳時点で、最低2,300万円の貯蓄が必要(経済的事情)
◆ 睡眠が大きなテーマで「健康貯蓄」が必要
◆ 人間の労働力はAIができない領域に配置していくべき
それから本書の中盤では、VUCA時代に求められる人として、とくに仕事が絶えないフリーランスの特徴を、著者は次の3つと説明しています。
1.ポジショニング(他の人にできない独自の価値=セルフブランディング)
2.営業力
3.新たなスキル習得
また「働きアリ」からの脱出に必要な「態度」「気構え」「行動・能力」のうち、とくに以下の5つの「気構え」が重要だ、としています。
◆ エッセンシャル思考を身に付ける
◆ ストレスとうまく付き合う
◆ ITアレルギーをなくす
◆ 視点と視座を変えて本質を見抜く
◆ 意識を変える前に行動する
さらに、この本の後半では、働き方改革として、以下のようなコンセプトを紹介していて参考になります。
◆ 内円(自分でコントロールできるエリア)と外円(コントロールできないエリア)
◆ EQを意識する
◆ メンターを持つ
◆ リアル人脈をつくる
◆ ヒアリングと質問の達人になる
◆ 人を動かすコミュニケーション術
◆ フィードフォワードとフィードバック
◆ 高速セルフDCA
最後に著者は、「アグリゲーター」という肩書について解説しています。これは「集めて合体させる」という「意味の「アグリゲート(Aggregate)」という言葉がもとになっています。
この本は、今多くの会社で緊急の課題として掲げられている「働き方改革」について、著者が支援してきた会社の事例を含めて、個人で始められる「働き方改革」を、多面的に解説していて、示唆に富んでいます。
「働き方改革」に取り組むすべての会社および人々に、本書を心から推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を!