「間違った介護支援が老後の幸せを奪う」と述べて、青信号の間に道路を渡れない老人は300万人を超えて買い物難民になっている現実を指摘している本があります。
本日紹介するのは、リハビリ専門デイサービス「リタポンテ」代表取締役の神戸利文さんと、理学療法士、「リタポンテ」執行役員兼事業部長の上村理絵さんが書いた、こちらの書籍です。
神戸利文・上村理絵『道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる』(アスコム)
この本は、日本の介護の現状を知らせ、リハビルをはじめ医療や介護でどのような支援を受けられるのかについて正しい情報を伝え、多くの方のリハビリと介護のリテラシーを上げたいという願いをもって書かれた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.間違った介護支援が老後の幸せを奪う
2.誰も助けてくれない「介護後進国日本」の現状
3.老後の幸せを守るために必要な介護とは
4.家族が、自分が倒れる前に知っておきたい介護の基礎知識
5.これからの介護の未来はどうなるのか
6.医療の現場と介護の現場から語るこれからの高齢者への支援とは
この本の冒頭で著者は、「なぜ、青信号や踏切を渡り切れないほど、身体機能が低下してしまったのか」と問いかけています。
そして、「青信号の間に道路を渡り切れないことは、すでに、介護による支援が必要な状態であることの目安です。」と述べています。以上から、著者は以下の2つの問題がある、と指摘しています。
◆ 身体能力が弱っていても支援を受けていない
◆ 支援のやり方などが間違っていて、結局、身体機能の改善が見られず、外出もできないまま、徐々に歩けなくなっていく
本書の前半では、「間違った介護支援が老後の幸せを奪う」および「誰も助けてくれない『介護後進国日本』の現状」について以下のポイントを解説しています。
◆ 介護を前向きに考え、情報を得て、介護による支援を利用する
◆ 介護の支援の仕方で、人生の最後は大きく変わってくる
◆ チェックリストで身体の状態を知る
◆ 介護で不幸にならないため、➀支援をとことん利用、②情報を集め自ら選択、➂身体機能を維持させることが第一
◆ 身体機能の維持が、高齢者の幸せの土台になる
◆ 身体機能の衰えの行き先が寝たきり
◆ 急性期・回復期のリハビリを受けた人が、生活期のリハビリを受ける場がない
◆ 医療と介護の分断で、医師もケアマネージャーもリハビリの重要性を理解していない
◆ リハビリ専門職の地位が低い日本
◆ 日本のリハビリ専門職は、医師や看護師の下に置かれている
◆ 地域包括ケアシステムへの医師の関与が低い
◆ 生活期のリハビリが寝たきりを防ぐ
◆ 介護施設では人手不足から「寝かせきり」にせざるを得ない
この本の中盤では、「老後の幸せを守るために必要な介護とは」および「家族が、自分が倒れる前に知っておきたい介護の基礎知識」について考察しています。主なポイントは次の通り。
◆ 要介護認定には一次認定と二次認定がある
◆ 寝たきりが迫るサインは「要介護3」
◆ 生活期のリハビリが受けられるのは、デイケアかデイサービス
◆ 1日1時間以上はリハビリ、機能訓練が必要
◆ 何かしたいことがあれば、人は体を動かせる
◆ 未来の自分の姿をイメージできれば、リハビリは続けられる
◆ 口腔ケアの充実が必要
◆ ケアマネージャーは相性、どんどん変えていい
◆ 良いケアマネージャーは利用者を第一に考え、行動力がある
◆ 支援の内容も、身体機能維持ファーストで考える
本書の後半では、「これからの介護の未来はどうなるのか」および「特別対談:医療の現場と介護の現場から語るこれからの高齢者への支援とは」というテーマで解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ コロナ禍で加速する高齢者の身体機能の衰え
◆ 老老介護から老老老介護へ
◆ 介護のプロを活用するため情報収集が大切
◆ 医療と介護の連携が不可欠
◆ 利用者の声が医療と介護の質を高める
◆ 全権を持っている医師が常識を備えた人格者とは限らない
◆ 健康寿命を延ばすための正しい知識と行動を
◆ 理学療法士なら、医学的な視点をもってサポートできる
あなたも本書を読んで、リハビリ難民200万人を見捨てる「介護後進国日本」において、寝たきりにならない知恵を身につけ、実践しませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2661日目】