「私たちは喜びを先送りしすぎている。手遅れになるまでやりたいことを我慢し、ただただ金を節約する。」「今しかできないことに、惜しみなく金を使え」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1969年アメリカ・テキサス州ヒューストン生まれ、アイオワ大学を卒業後、ウォールストリートで働いたのち、エネルギー分野のトレーダーとして成功を収め、現在はヘッジファンドノマネージャー、ハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレーヤー、コンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEOのビル・パーキンスさんが書いた、こちらの書籍です。
ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社)
この本は、「ただ生きるだけではなく、十分に生きる。経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法を考える」ための書です。
本書は以下の9部構成にて、人生を豊かにする9つのルールを提唱しています。
1.「今しかできないこと」に投資する
2.一刻も早く経験に金を使おう
3.ゼロで死ぬ
4.人生最後の日を意識する
5.子どもには死ぬ「前」に与える
6.年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
7.やりたいことの「賞味期限」を意識する
8.45~60歳に資産を取り崩し始める
9.大胆にリスクを取る
この本の冒頭で著者は、「人生の充実度を高めるのは、『そのときどきに相応しい経験』なのだ。時間と金という限りある資源を、いつ、何に使うか。この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れるのである。」と述べています。
本書の前半では、「今しかできないことに投資する」、「一刻も早く経験に金を使おう」および「ゼロで死ぬ」をテーマとして、以下のポイントを説明しています。
◆ 仕事で得た金は、稼ぐために費やした「ライフエネルギー」の量
◆ 一生残る「経験の価値」を信じること
◆ 人生で何を経験したいのかを真剣に考える
◆ 人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」
◆ 経験をポイント化してみる
◆「思い出の配当」はバカにできない
◆ 経験を増やすと、雪だるま式に幸せになれる
◆ 老後で何より価値が高まるのは記憶の配当が得られる「思い出」
◆ 生きているうちに金を使い切ること、「ゼロで死ぬ」ことを目指す
◆ 年を取ると人は金を使わなくなる
この本の中盤では、「人生最後の日を意識する」、「子どもには死ぬ『前』に与える」および「年齢にあわせて『金、健康、時間』を最適化する」ことについて解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化する
◆ 人生最後の日を予測して、人生の残り時間を意識する
◆ 子どもには死ぬ「前」に与える
◆ 金の価値を最大化できる年齢は、「26~35歳」
◆「金を稼ぐこと」と「大切な人との経験」をトレードオフの関係で捉え、自分の時間を最適化する
◆ 金から価値を引き出す能力は年齢とともに低下する
◆「金」「健康」「時間」のバランスが人生の満足度を高める
◆ 金ではなく、健康と時間を重視することが人生の満足度を上げるコツ
◆ あらゆる年代で、健康の改善は人生を改善する
◆ 中年期には、金で時間を買いなさい
本書の後半では、「やりたいことの賞味期限を意識する」、「45~60歳に資産を取り崩し始める」および「大胆にリスクを取る」ことについて著者の考えを提示しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ どんな経験でも、いつか自分にとって人生最後のタイミングがやってくる
◆ 自分の夢を実現できなかったことを死ぬ瞬間に後悔している人が多い
◆「いずれ失われること」に目を向けると、人の幸福度は高まる
◆ 人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意識が高まる
◆ 人生の各段階で使える時間はそれほど多くはない
◆ タイムバケットで後悔しない人生をつくる
◆ 死ぬまでに必要な金 =(1年間の生活費)×(人生の残りの年数)× 0.7
◆ 資産のピークは「金額」ではなく「時期」で決める
◆ 老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、金は得られても、貴重なもの(時間と健康)を逃してしまう
◆ 資産を減らすポイントは「45~60歳」
◆ あなたが考えているより、老後に金はかからない
◆ リスクを簡単に取れる時期を生かし切れていない人は多い
◆ 住む場所を変える不安を乗り越える
◆ 行動を取らないことのリスクを過小評価しべきではない
◆「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべきだ
この本では、同じコンセプトを提唱している以下の書籍を紹介・推薦しています。
本書の締めくくりとして著者は、「ゼロで死ぬという目標を持つこと自体が、あなたを正しい方向に導いてくれる。」「ゼロで死ぬという目標を持つことで、人生を充実させようという意識が働くようになるからだ。」「つまり、『ゼロで死ぬ』を目指すこと自体に高い価値がある。」と述べています。
私 大杉潤の著書『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)で提唱している「60歳から老後資金を作る」という考え方とは、ある意味で大局的な考え方です。それだけに両方の本を読んでバランスを取ることをぜひお薦めしたいと思います。
そして最後に、こう呼びかけています。
「人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。」
あなたも本書を読んで、「ゼロで死ぬ」を目標として、人生が豊かになる究極の9つのルールを実践してみませんか。
2022年4月3日に、大杉潤のYouTubeビジネススクール【第222回】DIE WITH ZERO(ゼロで死ぬ)にて紹介しています。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2669日目】