「私たちの社会は大きく行き詰っている。その結果、2030年に新たな産業革命が世界中で始まる。その産業革命の規模は、18世紀後半から19世紀にかけてイギリスで始まったかつての産業革命を超えるものになるだろう。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、東京大学教養学部国際関係論卒、サンダーバード・グローバル経営大学院MBA、ハーバード大学大学院サステナビリティ専攻修士、信州大学グリーン社会協創機構特任教授、株式会社ニューラルCEOの夫馬賢治さんが書いた、こちらの書籍です。
夫馬賢治『データでわかる2030年雇用の未来』(日経プレミアシリーズ)
この本は、政府、企業、そして私たちが、すでに始まりかけている産業革命の内容を理解し、将来の雇用の大転換に備えていくために書かれた本です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.21世紀の産業革命はいかにして起こるのか
2.気候変動対策が未来の雇用を一変させる―カーボンニュートラルとエネルギー革命
3.農林水産業は新たな産業革命の第2の震源地―カーボンニュートラルと農業・畜産業・水産業
4.農林水産業革命は雇用をどう変えるか―ネイチャーポジティブと農業・畜産業・水産業
5.サーキュラーエコノミー化が変える未来―素材革命で蘇る職人技能
6.AIとホワイトカラーの業務革命
7.少子高齢化がこれから職場にもたらす激変―人口減少とダイバーシティインクルージョン
8.未来の雇用に向けて何ができるか
この本の冒頭で著者は、「どんなにいまの仕事が働きやすいものになっていたとしても、新たな産業革命が始まり、その仕事そのものがなくなってしまえば意味がない。」と述べています。
本書の前半では、「21世紀の産業革命はいかにして起こるのか」および「気候変動対策が未来の雇用を一変させる―カーボンニュートラルとエネルギー革命」ついて以下のポイントを説明していま す。
◆「将来子どもを持ちたくない」と答える日本の若者
◆ 環境層を土台に、社会層、経済層が乗っていく「ウェディングケーキ・モデル」
◆ SDGsの担い手として、政府よりも民間企業を信じる世界の人々
◆ 21世紀の産業革命は職種12分類すべてに影響する
◆ あらゆる企業でカーボンニュートラル
◆ 気候変動対策で世界のGDPは上昇する
◆ 2030年までに従来の自動車産業の雇用は半分失われる
◆ 再エネやEVへの転換は賃金を引き下げるリスク
この本の中盤では、「農林水産業は新たな産業革命の第2の震源地―カーボンニュートラルと農業・畜産業・水産業」「農林水産業革命は雇用をどう変えるか―ネイチャーポジティブと農業・畜産業・水産業」および「サーキュラーエコノミー化が変える未来―素材革命で蘇る職人技能」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 世界の飢餓人口は増加している
◆ 持続不可能な状態に陥る世界の水産業
◆「生態系サービス」が失われると、44兆ドルの価値が吹き飛ぶ
◆ カーボンニュートラルとネイチャーポジティブを同時に実現する農法
◆ 注目を集める「リジェネラティブ農法」
◆ 天然資源の採掘量は54年間で3.5倍に
◆ 天然資源採掘を減らす「サーキュラーエコノミー」という考え方
◆ サーキュラーエコノミー化で雇用は700万人純増
本書の後半では、「AIとホワイトカラーの業務革命」「少子高齢化がこれから職場にもたらす激変―人口減少とダイバーシティインクルージョン」および「未来の雇用に向けて何ができるか」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 先進国ホワイトカラーが最も生成AIの影響を受ける
◆「環境層」と「社会層」の状況を改善するために生成AIが不可欠
◆ 思考が柔軟な人ほど給与を高めていくチャンス
◆「2025年の崖」でブラックボックスの既存システムが残れば、年12兆円の経済損失
◆ 労働生産性向上から外国人労働者という選択肢
◆ ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)という3つの概念
◆ 教育投資が少なすぎる日本
◆ ウェルビーイングのための四つの因子
あなたも本書を読んで、21世紀の産業革命によって「雇用の未来」がどうなるかについて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3528日目】