「総人口が激減するなか、唯一増え続ける “ 中高年シングル ” が消費をリードする!」と述べている本があります。
本日紹介するのは、パルコに入社して「アクロス」編集長、三菱総合研究所を経て独立し、マーケティング・アナリスト、消費・都市・社会の研究者として時代を予測して大手企業などの指導を行う三浦展さんが書いた、こちらの書籍です。
三浦展『中高年シングルが日本を動かす 人口激減社会の消費と行動』(朝日新書)
中高年の単身世帯が増え続ける日本において、その単身世帯の消費や支出の動向をつかむことは、企業の商品開発にも欠かせない、と著者は言います。
そして、次のような疑問に答えるためにこの本は書かれました。
◆ 個人化の影響で、ライフスタイルはどのように変化するのか
◆ 社会全体の仕組みはどう変わるのか
◆ 日本の未来を見据えた新しい暮らし方はどういうものか
本書は以下の6部構成から成っています。
1.中高年シングル時代がやってきた!
2.シングル世帯の消費 <男女ヤング>
3.シングル世帯の消費 <男女ミドル>
4.シングル世帯の消費 <男女シニア>
5.アラフォー団塊ジュニアの経済格差~シングル、パラサイト、既婚の年収と貯蓄~
6.アラフォー団塊ジュニア女性の年収と結婚~佐和子型かあや子型か~
この本の冒頭で著者は、日本は超高齢社会を突き進むだけでなく、超中高年社会になる、と提唱しています。
しかもこの中高年に未婚や死別、離別の人口が増えると指摘しています。2030年には、未婚人口は2,600万人、死別・離別人口は1,830万人にもなります。
現在の日本の姿は、2015年~2017年の統計によれば、以下の通りとなっています。
◆ 65歳以上高齢者3,514万人(うち75歳以上1,747万人、80歳以上1,074万人)
◆ 40歳以上の中高年7,756万人
◆ 40歳以上死別・離別人口1,443万人
◆ 40歳以上未婚・死別・離別人口合計2,311万人
次に、単身世帯の消費動向を、年代別にまとめていて、男女別にヤング、ミドル、シニアという分類で特徴を挙げています。
興味深いのは、シニアの消費のキーワードで、男性は以下の通りです。
◆ 若い時の商品を今も買う
◆ 調理食品はおかず
◆ スポーツ好き
◆ クルマと腕時計には金を出す
◆ こぎれいなじいさんになりたい
一方、シニア女性の消費のキーワードは次の通り。
◆ 肉が好き
◆ マイカー増える
◆ スポーツ観戦
◆ 移動する
◆ コンタクトレンズ
また、シングル世帯の消費をまとめると以下のようになる、と著者は言います。
1.消費が予防的になっている(健康志向)
2.男女差・年齢差縮まっている(男性が内向化、女性が外向化)
3.見栄より即効性(カラコン、歯を白く、矯正歯科)
この本の終盤では、アラフォー団塊ジュニアについて、雇用形態の差による経済格差の問題や、親への経済依存度が高いパラサイトの問題を指摘しています。
さらに、結婚の形が多様化してきており、55歳の藤あや子が25歳年下の男性と結婚したり、阿川佐和子が63歳で初めて69歳の男性と結婚したりということが起こっていることを例に挙げています。
最後には、今後の日本の消費動向を踏まえた予測として、次の2つを総括として記しています。
1.これからの日本は75歳まで働くための「セルフケア社会」になる
2.家族の多様化から、幸福像の多様化へ
人生100年時代は、人生の最初の方でつまづいたらずっと不幸だという社会ではうまくいかない、と著者は述べています。
人生の前半は仕事中心で結婚には縁がなかったが、50歳で結婚するかも知れません。
また、早めに結婚、出産して家庭に入った女性が、50歳から仕事に目覚めて75歳まで働くことがあるかも知れません。
そういうライフスタイルのさらなる多様化が進む、というのがこの本の結論です。
あなたも本書を読んで、人口激減社会における消費と行動について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を