「長寿社会のゆくえを科学する」というサブタイトルで、データが明らかにする日本の近未来を描いた書があります。
本日紹介するのは、国立長寿医療研究センター研究所所長の鈴木隆雄さんが書いたこちらの本です。
鈴木隆雄『超高齢社会の基礎知識』(講談社現代新書)
この本は、今後ますます加速する高齢社会の現状を考える際に重要になる、以下の点についての問題意識から出発している。
◆ 近未来の日本の高齢者とはいったいどのような特性を持つ人々(集団)なのか?
◆ 彼らの健康水準はどう変わってきたのか?
◆ 今後、急速に増加する「後期高齢者」とはどういう集団なのか?
◆ 病気と介護はどのような論理で整理すべきなのか?
◆ 完治をめざす(病院中心の)医療から支え癒す(地域や在宅中心の)医療とはどういう意味を持つのか?
上記のいずれもが相互に複雑に交錯して問題ですが、それらの現状と課題を整理し、科学的根拠を用いて今後の高齢者の保健(予防)、医療(治療)、福祉(ケア)のあり方を考えたのが本書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.2030年高齢社会のニッポン
2.寿命と健康の変化
3.病気予防と介護予防
4.老化について科学的に議論するために
5.予防の先にあるもの
6.超高齢社会に挑む
本書の巻末には内外の「参考文献」が掲載されていて、とても有益です。
本書は高齢社会の進展に伴う以下のような広汎なテーマについて、科学的データを織り込みながら概観しています。
1.高齢者の健康度の改善と虚弱化・死亡の先送り
2.疾病構造の変化と医療技術の進歩がもたらした光と影
3.疾病予防と介護予防の必然性と明確化
4.国民の医療と福祉にたいする価値観の多様化
5.高齢者本人の自助努力による自立と尊厳の確立
活力ある健全な前期高齢者が着実に増える一方で、加齢に伴い確実に生じる老年症候群や要介護・認知高齢者の急増が見られます。
また、後期高齢期では避けられない虚弱化など、覚悟が必要な問題もあります。
著者の鈴木さんは、老年学・老年医学を専門とし、東京都老人総合研究所および国立長寿医療センターという、わが国を代表する二つの研究機関にて、20年以上にわたって研究を継続しています。
本書はそこで出られた知見を、新書というコンパクトな形式で分かりやすく解説した良書です。本書のタイトル通り、超高齢社会の「基礎知識」を学ぶには最適な教科書といえるでしょう。
あなたも本書に学んで、超高齢社会のさまざまな課題にチャレンジしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!