書評ブログ

定年前起業への道 ~ 50歳からの知的生活習慣(その3)

ドキュメンタリー『定年前起業への道~57歳からの挑戦!』第36回は、「50歳からの知的生活習慣」の「その3」です。

 

 

 

≪ 定年後にも勉強法があった! ≫

 

 

あなたは、「定年後にも勉強法がある」と聞いたら、驚くでしょうか?

 

 

今日から2回にわたって紹介したいのが、和田秀樹さんの次の2冊の著書です。

 

 

 

 

和田秀樹さんは、1960年大阪市生まれで、灘高校から東京大学医学部に入った秀才で、精神科医です。

 

 

もともとは、『受験は要領』など、大学受験に関する著書が多く、「数学は暗記だ!」など、独特の「受験勉強法」で旋風を巻き起こしました。

 

 

とくに、文部科学省が進めていた「ゆとり教育」に真っ向から反対を唱え、当時、推進者だった文部科学省の寺脇研さんとの論争は大きな話題となりました。

 

 

現在では、和田さんの著作の傾向は徐々に、「受験」や「教育」、「勉強法」から、「アンチエイジング」、「健康法」などに移りつつあり、まさに私の関心事の推移と同じ軌跡を辿っています。

 

 

子どもが受験期には和田さんの「受験関連書」を読みふけり、今は「アンチエイジング」や「大人の勉強法」関連の著書を読ませていただいています。

 

 

まず一冊目の『定年後の勉強法』について、写真にもある通り、この本は、外山滋比古さんが次の言葉のように絶賛している書です。

 

 

「世のため、人のためというのは、こういう本のことだ。自分が勤めを辞める前に読んでいたら・・・・・・と考える。」

 

 

勤めを辞める前の、定年前のあなたに、「ぜひ読んでもらいたい書」です。私も、この本に出会えてほんとうにラッキーだったと思っています。

 

 

IMG_2125

 

 

 

この本には、学生時代や現役の会社員時代の「勉強法」とは、かなり違った「勉強法」が紹介されていて、心強く感じるとともに、人生の後半の生き方について、深く考えさせられました。

 

 

例えば、次のような見出しや本の中で述べられているキャッチフレーズは、とても心に響きます。

 

 

1.長生きしたければ勉強をしなければいけない

 

2.定年後の勉強は健康法だ

 

3.若いころと勉強法は逆になり、インプットよりもアウトプットがメインになる

 

4.若い頃の受験はコンテンツ、定年後はノウハウ

 

5.「若者に負けないための勉強法」の中心は記憶力である

 

6.変節する、あえて異論を言ってみることで、前頭葉の老化(=思考の老化)を防ぐ

 

7.自分が何を知っているかを知り、「知の賢人」になる

 

 

この本では、定年前後世代に対して、「心理学の勉強」はお勧めできる、と述べています。学ぶことで、自分の心も健康になるし、人に対してもよいアドバイスができるようになる、ということです。

 

 

 

≪ 定年後の勉強は「アウトプット」がメイン!≫

 

 

本書の様々な勉強法に関するアドバイスの中で、私が一番、インパクトを受けたのは、「定年後の勉強はアウトプットがメインになる」ということです。

 

 

学生時代など、若いうちはとにかくインプットが重要、というのが、著者の和田さんの「受験勉強」ノウハウである「和田メソッド」のエッセンスです。

 

 

それに対して、定年後の勉強はむしろ逆で、インプットした量はかなりあるのだから、アウトプットという創造的な作業を中心にすべき、という考え方です。

 

 

「定年世代にこそ、ゆとり教育的発想が大事」ということです。文部科学省からしたら、何だか皮肉な結果になっています。

 

 

それから、「前頭葉の委縮(=老化)スピードを弱めることが重要だ」ということも本書で強調しています。

 

 

創造性を重視する勉強は、年齢とともに衰えやすい前頭葉を鍛える、という効用もあるのです。この点については、次回にもう一冊の本『思考の老化をどう防ぐか』を紹介しながら説明していきたいと思います。

 

 

 

2015年11月1日の「定年前起業」まで、あと131日です。皆さんの温かい励ましや応援をどうかよろしくお願いいたします。