「定年世代の働き方が変わる!あなたが仕事で培ってきた経験を求めている会社がきっとあります。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、株式会社リクルートに入社した後、ソニー株式会社の映画・ゲーム・音楽子会社を経て、2012年に独立して、楽天株式会社ほか多くの会社の顧問・アドバイザーを務め、大学院で学び直しもしている齋藤利勝さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
齋藤利勝『あなたのキャリアをお金に変える!「顧問」という新しい働き方』(集英社)
この本は、第2の人生を見据えている皆さんに向けて、これまで培ってきたキャリアを活かす「顧問」という「新しい働き方」を紹介している書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.あなたのキャリアをお金に変える「新しい働き方」がある
2.顧問の仕事ファイル
3.顧問派遣会社を利用して顧問として働いてみよう
4.顧問の進化形「プロフェッショナル顧問」になろう
5.プロフェッショナル顧問の仕事術
6.信頼されるセルフブランディングの方法
7.顧問が未来を変える
この本の冒頭で著者は、顧問とは個人が実務経験を通して得た知見をあらゆる企業の課題解決に活かせる、とてもやりがいのある仕事である、と述べています。
これまでの「顧問」というイメージは、迎え入れた企業にとっては「顔役」であり、前職の会社名や役職、人脈に対して多大な報酬が支払われるというものでした。
それに対して、現在マーケットが拡大している、プロフェッショナルとして企業に貢献する新しい顧問は、企業の問題解決にあたるエキスパートである「実務型顧問」です。
アメリカをはじめ海外では、こうした実務顧問に近い職業は「インディペンデント・コンントラクター(Independent Contractor)」と呼ばれ、「独立業務請負人」などと訳されています。
こうした「顧問」は、コンサルタントよりも、より深く直接的に企業の事業に参画します。顧問派遣会社や企業と直接に業務委託契約を結ぶ形が一般的で、雇用されて社員になるのではなく、月に数回といった形で、個人事業主(または法人)として、契約先企業に貢献します。
企業にとっては、業績を上げるための販路拡大や新規事業の立ち上げの際に、中途採用やコンサルタントに依頼するよりもリスクが少ないために、顧問マーケットは急速に拡大している、と本書では説明しています。
また著者は、長年真摯に実務経験を積んできた人であれば、何かしら提供できるスキルがあり、誰もが顧問になれる時代だ、言います。
そうした中で現在、業界を問わず「顧問」の人材が求められているのは、次のような業務だそうです。
◆ 営業マニュアルの設計
◆ 海外進出サポート
◆ 広告・広報による集客
◆ 新規事業開発
◆ 新商品開発
◆ 研究開発
◆ 技術者の育成
◆ 人材採用・育成
◆ 経営管理業務の責任者
この本の中盤以降では、顧問として働く際の手順や留意点などが記されていて参考になります。以下の点がポイントです。
◆ 顧問派遣会社への登録とサービスの違い
◆ 登録顧問の稼働率はわずか5%
◆ 自分のセールスポイントを差別化して明確にアピールできるか(「エッジ」を効かせられるか)
とくに、登録情報については、次の3点に留意すべきだ、と著者は説明しています。
1.強みを明確にし、内容を充実させる
2.検索されやすいキーワードをちりばめる
3.登録情報をこまめにアップデートする
さらに著者は、求められる結果を出せる「プロフェッショナル顧問」を目指してほしい、と述べています。
そのためにはつねに、商談機会を作る時には、問題解決の過程でつねに、双方を「Win」にすることが重要だ、ということです。
また、自分の強みを発見し、活躍するための「戦略」を立てることが重要だと、著者は説いています。
そのための手法として、以下の手順から成る「齋藤式分析ツール(Sツール)」を紹介しています。
1.やりたいこと(ゴール)を設定する
2.環境分析(3C分析の活用)を行う
3.自己分析(SWOT分析の活用)を行う
4.戦略を策定し優先順位づけする(クロスSWOTで戦略策定)
5.5W1Hで戦略をアクションプランに落とし込む
本書の終盤では、「プロフェッショナル顧問」として信頼されるセルフブランディングの方法として、以下の点を挙げています。
◆ 服装や態度など清潔な身だしなみを心がける
◆ SNSは集客ツール、「AIDOMA」を意識して発信する
◆ 本を出版して活動の裏付けに
◆ 居心地のよいコミュニティをつくる
◆ 「他利」の精神で相手に尽くす
最後の「他利」の精神は、一般的には「利他」の精神と言いますが、この本で著者は、敢えて利益を前に出さないという趣旨で、「他利」の精神と表現しています。
著者の齋藤さんは、今後は「プロフェッショナル顧問」を増やし拡大していくことで日本を元気にしたい、という思いから、顧問の交流の場として、一般社団法人プロフェッシナル顧問協会や、顧問の育成する「顧問塾」を立ち上げ、活動しています。
あなたも本書を読んで、あなたのキャリををお金に変える「プロフェッショナル顧問」という新しい働き方について学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を