「人を見た目で判断してはいけない、とよく言われるのは、実は人間がそういうふうに判断してしまいがちだから」と述べて、印象が言語(バーバル)以上に非言語(ノンバーバル)に影響されることを解説している本があります。
本日紹介するのは、シンガポール航空にて、フライトアテンダントとしてシンガポールに駐在し、その後帰国して、株式会社グロービスの創業期から現在のグロービス経営大学院(マネジメント・スクールおよび大学院)の立ち上げに関わり、戦略立案やマーケティング、営業全般に携わって、自ら法人向け研修の講師も行い、現在は独立して、株式会社ディグニータ代表として、ビジネスアピアランスコンンサルティングなどを行っている木暮桂子さんが書いた、こちらの書籍です。
木暮桂子『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』(ダイヤモンド社)
この本は、ビジネスパーソンが服を変えるだけで、印象をがらりと変えることができて、即効性抜群であることを示し、かつ具体的に、スーツやネクタイ、シャツ、靴などの着こなしをはじめ、表情・姿勢・歩き方などの外見について、優秀さを伝えられるポイントを解説しているものです。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「あれ?」と思われたら負け
2.まずネクタイを押さえれば、印象はがらりと変わる
3.黒いスーツは着ない
4.シャツは高価なものより、サイズの合うもののほうが価値がある
5.スーツに紐のない革靴は絶対にダメ
6.立たない靴は選ばない
7.表情や姿勢、歩き方でも外見は変わる
この本の冒頭で著者は、「たくさんの人に、短時間で正しく自分を理解してもらうこと、そのためには『外見』を効果的に使うことが求められます。」と述べています。
またビジネスでの装いは「かっこよくする」ということがゴールではなく、それを着る人の中身と一体となって、人となりを表現するものでなくてはならない、ということです。
つまり、装いというのは、人への究極の気遣い、自分のために装うのではなく、相手のために装わなければならないのです。
次に、ビジネスの洋服で大事なことは「見た目」が重要であるということをしっかり認識すること。それを戦略的に行うこと、言葉を変えれば、外から自分はどう見られたいのか、定めておくことだ、と著者は言います。
ビジネスマンとして持っておくといい「見せたい印象」は、以下の6つである、と本書では解説しています。
1.若々しさやアグレッシブさなどのスポーティーな雰囲気: ネクタイは、赤のストライプ(エネルギッシュ)
2.品のよさや育ちのよさなどのジェントルな雰囲気: ネクタイは、茶色や紺・水色などの優しい色(教養やエレガントさ)
3.優しさや話しやすさ、人の気持ちがわかるといったフェミニンな雰囲気: ネクタイは、ピンク(優しい、あたたかみがある)
4.自信や大胆さ、力強さのあるリーダーの雰囲気: ネクタイは、真っ赤、コントラストがはっきりしたストライプ(強いリーダー)
5.信頼感や落ち着きなどのコンサバティブな雰囲気: ネクタイは、小さな柄の小紋、抑えた赤や青(誠実、真面目)
6.独創性や革新、個性的などのクリエイティブな雰囲気: ネクタイは、派手、ポップ、個性的な柄(クリエイティブ、個性)
ネクタイについては、色や柄で上記6つの印象を使い分けるほか、「隙間なく締める」こと、「長さをベルトの下」までとする、ウィンザーノットの締め方などが大切なポイントになるそうです。
スーツについては、次のポイントを挙げています。
◆ 紺が基本で、あとはグレーのみ
◆ 2つボタンが、スマートで清潔感がある
◆ スーツは基本は無地がベスト、柄ならストライプだけ
◆ スーツは年収の100分の1くらいが目安(高いものは質感がよく、美しい生地)
◆ クールビズは、セパレートのジャケットとパンツで
◆ ポケットチーフはクールビズで使える
◆ オーダースーツは、疲れない
◆ 座ったときに、スーツのボタンは外す
続いて、シャツを質のよいものにするだけで、スーツは想像以上に映える、として、以下のポイントを挙げています。
◆ 白いワイシャツに勝るシャツはない
◆ スーツから剣先が見えないセミワイドの襟を選ぶ
◆ クールビズでは、ホリゾンタルがかっこいい
◆ 白シャツ以外では、薄いピンクかブルーのみ、襟と袖の色だけが白のクレリックもおすすめ
◆ オーダーシャツを作ると、もうオーダーシャツしか着られない
最後に、靴や鞄、そして表情、姿勢、歩き方などの外見について、留意点を説明していて参考になります。詳細についてはぜひ、この本を手に取って確認してください。
本書は、外見だけであなたの優秀さを伝えられれば、見えないチャンスがたくさんやってくることが実感できる素晴らしい本で、ぜひ一読をお薦めします。
あなたもこの本を読んで、ビジネスアピアランスの重要性を、しっかりと認識して、ビジネスを伸ばしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!