「人がモノを買う行為(購買行動)は、意思決定に基づいています。この意思決定のメカニズムを知ることができたら、モノを売るうえで最強といえます。このメカニズムが行動経済学であり、活用することでビジネスは伸びていきます。」とべている本があります。
本日紹介するのは、東京・浅草生まれ、法政大学卒業後、クリエイターとしてSONY、サントリー、パナソニック、オリンパス、CASIO、雪印、JTなどの大手企業から中小零細企業まで2,200社の商品開発、販売企画を支援し、販売拡大に貢献してきた製造業のマーケティングコンサルタント、コピーライターで、日本工業大学大学院 技術経営研究科教授の弓削徹さんが書いた、こちらの書籍です。
弓削徹『武器としての行動経済学:「売れる」のウラ教えます』(あさ出版)
この本は、商品を販売するプロセスにおいて、商品開発や販路開拓、営業などで実践できるよう、行動経済学を、いつ、どのように活用したら成果につながるのか、イラストや図を使って平易な表現で順番に解説している書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.売り方/商談 売り方の視点を変えると売り上げは劇伸びする!
2.広告表現 「それなら欲しい!」と言わせる表現を探せ!
3.価格決定 値札のつけ方一つで利益は大きく変わる!
4.ブランド化 長く愛される商品を育てるにはココに着目する!
この本の冒頭で著者は、「行動経済学とは人間の行動が感情や心理に左右される現象をロジカルに整理した学問である」と説明して「心理学×経済学 = 行動経済学 ≒ マーケティング」という式を紹介しています。
さらに、「本書は行動経済学の『学術書』ではなく、『活用書』です。知識は、活用してこそ価値を発揮します。」と続けています。
本書の前半では、「売り方/商談 売り方の視点を変えると売り上げは劇伸びする!」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 選択肢を3つにすると選びやすい「選択のパラドックス」
◆ 勝ち馬に乗る心理で買う「バンドワゴン効果」
◆ 損をしたくない心理でリピーターを育てる「サンクコスト効果」
◆ 入手困難な希少なものに価値を感じる「スカーシティ効果」
◆ 商談で接触回数を増やす「ザイアンス効果」
この本の中盤では、「広告表現 それなら欲しい! と言わせる表現を探せ!」および「価格決定 値札のつけ方一つで利益は大きく変わる!」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 見せ方や切り口を変えることで反応や選択が変化する「フレーミング効果」
◆ レビューなど第三者評価を伝えて失敗を恐れる心理を刺激する「ウィンザー効果」
◆ 感情移入してもらう「物語」や「語り」を伝える「ナラティブ効果」
◆ 特典オファーなどを活用する「互恵性の原理」
◆ 高価格でブランド価値を示す「ヴェブレン効果」
◆ 最初の提示価格で基準を高める「アンカリング効果」
◆ 相場観を利用して納得価格を設定する「プロスペクト理論」
◆ 価格感応度を聞き取って価格設定をする「PSM分析」
本書の後半では、「ブランド化 長く愛される商品を育てるにはココに着目する!」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ファンを固定化する統一イメージを発信する「一貫性の原理」
◆ 革新的すぎる商品の投入はしない「スキーマ理論」
◆ 気に入ったブランドで満たす心理を活用する「ディドロ効果」
◆ 高いハードルほど超えてみたくなる心理の「カリギュラ効果」
◆ 行動や選択を自然に導く「ナッジ理論」
この本の締めくくりとして著者は、「目先のテクニックだけでは長期的な関係を築くことはできません。何よりお客さまを『行動』させるのは、信頼関係です。」と述べています。
あなたも本書を読んで、武器としての行動経済学を学び、ビジネスで実践してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
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では、今日もハッピーな1日を!【3706日目】