「ダイバーシティ(多様性)」が注目され、副業の解禁や働き方改革が多くの企業で進む中、「部下が自然とついてきてくれるために、リーダーに必要な行動」について、部下とのコミュニケーションの取り方を中心に解説している本があります。
本日紹介するのは、1972年愛知県出身、新卒で国内最大級の飲料メーカーに入社、その後、転職を繰り返して、34歳の時に業務システム開発会社に入社、1年後に取締役、その後創業者から会社を引き継ぎ、実績を上げるも、創業者との対立から会社を追われ、2019年5月に独立して、現在はビジネスパーソンを自己実現に導く成長プロデューサーで、株式会社think shift 代表取締役CEOの浅野泰生さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
浅野泰生『部下のトリセツ 「ついていきたい!」と思われるリーダーの教科書』(総合法令出版)
この本は、著者の浅野さんが、リーダーとして失敗と改善を繰り返してきた実践経験をもとに、部下とのコミュニケーションの取り方を、実際の目的別にポイントを整理して解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.部下が安心する「自己開示」
2.部下が心を開く「聞き方」
3.部下をやる気にさせる「言い方」
4.部下を成長に導く「育て方」
5.部下が結果を出せるようになる「接し方」
この本の冒頭で著者は、失敗しても諦めずに、少しずつでも、部下に「ついていきたい!」と思われるようなリーダーを目指しましょう、と述べています。
そして、本書ではコミュニケーションの目的別に、部下の振る舞いに対して、リーダーとして「どうするべきか」を伝えています。
著者が提示している「自己開示」のポイントで、私がとくに共感するものは以下の通りです。
◆ リーダ自身の喜怒哀楽を素直に伝える
◆ 常に元気なリーダーを演じ切る
◆ リーダー自身の苦手分野を打ち明ける
◆ 大きな夢を共有し続ける
次に「聞き方」のポイントの中で、特に印象に残ったものは以下の通りです。
◆ 「何のために仕事をするのか」を示す
◆ 気になることはリーダー自ら聞く
◆ マイナスをプラスに転換するクセをつけさせる
◆ 会議は明るい雰囲気で終わらせる
続いて、「言い方」のポイントで、重要なものは次の通り。
◆ 部下の仕事の結果や評価を伝える
◆ 「WILL」「CAN」「MUST」を部下に考えさせる
◆ 問題と課題を共有する
◆ 部下のこだわりや価値観を尊重する
本書の後半では、成長する「育て方」の観点から、コミュニケーションの要諦が記されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 小さなことにも「ありがとう」を言う
◆ 常に「どう思う?」「どうしたい?」と問いかける
◆ 期日は本人に決めさせる
◆ メモを取ると仕事の質や評価が上がることを伝える
この本の最後で著者は、結果を出せるようになる「接し方」として、次のようなコミュニケーションのポイントを挙げています。
◆ “ 失敗 ” の価値を伝える
◆ 本人に原因と対策を考えさせる
◆ 習慣化できるようになるまで諦めずに指摘し続ける
◆「これだけはNG」を決めて、後は任せる
本書では、各項目の冒頭に「部下に関する悩み」にどう対応すべきかという「問い」と「答えの選択肢」が示され、興味を持って読み進むことができます。
また、途中に各章の最後にcolumn「リーダーの心得」が以下の興味深いテーマで掲載されていて、教訓としてとても参考になります。
1.能動的なアプローチをくり返す
2.信頼関係がすべてのベース
3.個性をしっかり把握する
4.結果よりもプロセスを重視する
5.『万人受け』を狙わない
この本を、部下とのやり取りに悩むリーダー、そして初めて部下を持つ人も必読の「リーダーの教科書」として、心から推薦します。
あなたも本書を読んで実践することにより、「どんな部下でも劇的に変わる」ことを実感してみませんか。
2020年4月11日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』、今日は【第61回】リーダー必読の「部下のトリセツ」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!