書評ブログ

『僕らが毎日やっている最強の読み方』

NHK出身のジャーナリスト池上彰さんと、外務省OBで作家の佐藤優さんが、新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意を公開した本があります。

 

 

本日紹介するのは、池上彰さん、佐藤優さんのふたりが、自分たちが毎日やっている「最強の読み方」を紹介した、こちらの書籍です。

 

 

池上彰佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方-新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意』(東洋経済新報社)

 

 

 

この本は、池上彰、佐藤優の両氏が、いかにして情報をインプットし、自分の力で世の中を読み解いているのかを公開している書です。

 

 

本書を読めば、二人の「知の源泉」を知り、自分なりの技法を磨けるようなつくりになっています。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.僕らが毎日やっている「読み方」を公開

 

2.僕らの新聞の読み方-どの新聞をどう読むか、全国紙から地方紙まで

 

3.僕らの雑誌の読み方-週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで

 

4.僕らのネットの使い方-上級者のメディアをどう使いこなすか

 

5.僕らの書籍の読み方-速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで

 

6.僕らの教科書、学習参考書の使い方-基礎知識をいっきに強化する

 

 

今や日本を代表する、ニュースや情報の分析家であり解説者でもあるふたり-池上彰さん、佐藤優さん-が、いったいどのようにして知識をインプットし、分析をしているのか、おそらく誰もが知りたいのではないでしょうか。

 

 

ここまで率直に公開してしまっていいのだろうかと思うほど、本書では写真入り、詳細な解説入りで、ふたりの情報収集術が公開されています。

 

 

私にとって意外だったのは、ふたりとも、日本語の「新聞情報」を、最も大切なベース知識としている点でした。

 

 

しかも、かなりの数の全国紙、地方紙を購読し、スクラップをしているという事実です。

 

 

また、目を通している雑誌も具体的に紹介されていて、こちらも両者それぞれに特徴があって、参考になります。

 

 

そして、ネットからの情報収集も具体的に紹介されていますが、SNSなどを含め、ボリュームとしては重点を置いていないということは意外でした。

 

 

やはり、ネットの情報は、新聞や雑誌がもつ「編集」と「校閲」という重要な二つの機能が欠如しているため、真偽の判断が難しい、という「信頼性」の問題があるためです。

 

 

実際に、ネット空間は「ノイズ過多」で、いかにノイズを排除して、真に価値ある「玉の情報」を得るかは難しいものです。

 

 

また、ネットには、特定のものだけが大きく見えたり、別のものが見えなくなったりする「プリズム効果」がある点を問題視しています。

 

 

さらに、ネットには「過去の閲覧履歴」によって、検索で表示される内容が変わるといった「情報の偏り」という危険な性質があります。

 

 

要するに、「関連する情報が集まりやすい」というメリットの一方で、視野が極端に狭くなっていく危険性が高い、という致命的な弱点があります。

 

 

ふたりの著者が、俯瞰性や一覧性にこだわって、「新聞情報」を重視するのは、情報が偏って視野が狭くなることへの恐怖があるからでしょう。

 

 

そして、書籍の読み方ですが、多読をする私は興味津々で目を通しましたが、古典やその入門書を中心としているのがふたりの著者の共通点です。

 

 

この点は、徹底して「ビジネス書」ばかりを多読している私の読み方とは全く違っていて興味深かったです。

 

 

しかし、「基礎知識は書籍でしか身につかない」「土台となる基礎知識がないと、知識が積み上がっていかない」と主張している点は、全く同感です。

 

 

また、本の選び方についても、「リアル書店に行って、知りたいジャンルの棚を見る」という、アナログなやり方は、本が好きな人に共通なのだと安心しました。

 

 

とくに、「リアル書店は俯瞰性の高さが非常にいい」というのは、これも全く同感です。ふたりが新聞を重視しているのも、「俯瞰性の高さ」と、「情報量の多さと正確性」のためでしょう。

 

 

本書の冒頭には、著者ふたりの研究室や書棚の様子が写真で紹介され、また途中には折り込みで、ふたりが読んでいる「新聞・雑誌リスト」「チェックしている内外サイト一覧」が付属していて、これだけでもものすごく価値があります。

 

 

敢えて詳細は書きませんので、ぜひ本書を手元に置いて、参照することをお薦めします。

 

 

あなたも本書を読んで、情報収集・分析では、現代日本を代表するふたりの「知の源泉」を参考にしてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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