「あいまいで中途半端な思考に陥ることなく、また極端な思考にも陥ることなく、目の前の問題を解決し成果を上げていくためには、より現実的かつ具体的な思考法ー<バランス思考>が必要になるのです。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学法学部を卒業後、大手エレクトロニクス企業、外資系コンサルティングファーム戦略部門パートナーを経て、現在はデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員パートナーの高砂哲男さんが書いた、こちらの書籍です。
高砂哲男『不安定な社会で成果を手にする バランス思考』(あさ出版)
この本は、どのように「バランス思考」を鍛えていけばいいかを、できるだけわかりやすく、そして具体的な事例や演習を交え詳しく解説している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「バランス思考」とは何か
2.「バランス思考」を鍛えるために何をすべきか
3.「バランス思考」を鍛えるためのインプット力
4.「バランス思考」を鍛えるためのプロセッシング力
5.「バランス思考」を鍛えるためのアウトプット力
6.「バランス思考」の活用術 実践編
この本の冒頭で著者は、「変化が激しく先が見えない世の中でも、私たちは何らかの成果を上げなければなりません。そのためには、本書で取り上げる<バランス思考>が何より重要になる」と述べています。
本書の前半では、「バランス思考とは何か」および「バランス思考を鍛えるために何をすべきか」について、以下のポイントを説明しています。
◆ バランスが必要とされる場面は、➀動きや変化がある、②違いや対立がある
◆ 環境変化は、➀複雑化・シンプル化・極端化、②イイトコロ取り社会、③コアコミュニティの重要性
◆ 新しい調和・均衡を生み出す思考
◆ 変化に対しぶれない柱を基に信頼を高めプラスを増やしていく思考
◆ 個人における成果は、「成長」と「成功」に収れん
◆ 仕事と成果は、「定型業務 vs 非定型業務」「効率化・課題解決 vs 高度化・価値創造」の2軸のマトリクスで4つに
◆「インプット⇒プロセシング⇒アウトプット」という思考と行動の流れ
◆ インプット力・プロセシング力・アウトプット力を鍛える
この本の中盤では、「バランス思考を鍛えるためのインプット力」「バランス思考を鍛えるためのプロセッシング力」および「バランス思考を鍛えるためのアウトプット力」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 情報・経験・知識を「使える知見」にしていく
◆ 新しい情報・経験・知識を増やし、疑似体験することですばやく深くなる
◆ インプットの多様性が高まれば、知見が広がる
◆ 時系列、要素・項目、関係性のフレームワークにて整理
◆ 思考のフレームワーク(現状把握、課題特定、改善策検討、改善策実行)
◆ 基本要素:目的・背景、選択肢、判断軸
◆ 目的・背景を多面的にかたよりなく
◆ 論点を基にシンプルな選択肢に帰結させる
◆ 2項対立に陥らない第3軸を定義する
◆ アウトプットの基本はコミュニケーション力
◆ 始める→続ける→変える→やめるのプロセスを繰り返す
◆「変わらないもの」を基軸に据える
◆ 主観修正の具体的アクション
◆ 一貫性のあるコミュニケーションを継続、貢献を常に意識する
本書の後半では、「バランス思考の活用術 実践編」と題して、具体的な活用方法を紹介・説明しています。3つの実践ケースと主なポイントは以下の通りです。
◆ 担当業務やプロジェクトが変わる:①今までの経験を棚卸し、②新たに必要な情報・知識・経験を学ぶ、③シミュレーション、④目的・背景を深堀り、⑤い大安静あるコミュニケーション
◆ ミーティングのファシリテーション:①最新情報でイメージ、②目的・背景の明確化、③論点と選択肢を明確化、④変えたくないものを察知、⑤貢献をベースにコミュニケーション
◆ 取引先と交渉する:①経験や学びから知見を整理、②目的・背景と立場・状況を理解する、③重要な論点と選択肢を明確化、④第3軸を設定して交渉に臨む、⑤交渉相手の大切にしたいものを引き出し、コミュニケーションを通じ軌道修正する
この本の締めくくりとして著者は、「すべての企業にとって重要なことは『変化し続けること』」「すべての個人にとって重要なことは『自らのスキルを高め続けること』」と述べています。
貴方も本書を読んで、不安定な社会で成果を手にする「バランス思考」を身につけ、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2765日目】