「相変わらずバカがのさばる世の中だけど、これ以上、黙って見ているのはゴメンだね。」と嘆き、迷惑なバカから笑えるバカ、愛すべきバカまで、バカを肴に芸論や人生論を語り尽くしている本があります。
本日紹介するのは、漫才コンビ「ツービート」で一世を風靡した後、テレビやラジオ、映画や出版の世界でも活躍する、ビートたけしさんの、こちらの新刊新書です。
ビートたけし『バカ論』(新潮新書)
この本は、40年近く前に出して100万部を超えるベストセラーになった、『ツービートのわっ毒ガスだ』(ベストセラーズ)の時に言っていることや考えていることがちっとも変っていない、と気づいた著者が、次のような40年近く前の著書を引用しながら、現在のバカと比較して紹介するところから始まっています。
◆ 行列をみると、なにかくれるんだろうと思って、なんだかわからなくても、すぐ並ぶバカ
◆ 開店〇周年記念謝恩セール・先着〇名まで記念品贈呈というとき、かならずといっていいほど前のほうに並んでいるバカ
◆ 景品ほしさに、毎月新聞をとりかえるバカ
◆ 出張旅費をごまかして、焼き鳥屋で一杯やるのが楽しみのバカ
◆ 聖教新聞と赤旗をいっしょにとっている思想のないバカ
◆ 火事や事件があると、現場に飛んでいき、あとからきと人に説明しているバカ
◆ そして、夕方、家に帰って、TVニュースに自分が映っていないか、あっちこっちチャンネルをまわしてみるバカ
◆ 出身地や出身校が同じだと知ると、すぐ友達になろうとするバカ
◆ やたらと芸能ニュースに詳しいバカ
「バカはいつの時代もバカ」、というのが著者の結論で、テレビのワイドショーやニュースで、バカな質問を繰り返す芸能レポーターはまさにその典型、ということです。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.バカは死んでも治らない
2.バカなことを聞くんじゃない
3.バカ言ってんじゃない
4.渡る世間はバカばかり
5.バカがテレビを語っている
6.こんなバカが好きなんだ
7.たまにはバカな質問に答えようか
8.バカな言い訳
この本で著者は、自らが起こした「事件」を含めて、次のような「芸能界を騒がせた人たち」の話題について、独自の視点や切り口から鋭く切り込んでいます。
◆ 「FAIDAY事件」で暴力騒動を起こした後の記者会見
◆ 大ダヌキの石原慎太郎元都知事(築地市場の豊洲移転での汚染問題)
◆ がんばれベッキー(ベッキー・ゲス・不倫)
◆ ショーンKの経歴詐称問題
◆ 「働き方改革」が通用しない芸能界
◆ 自分を探すバカ、老後を心配するバカ、孤独死を恐れるバカ
さらに本書の中盤以降では、テレビで活躍している、以下の有名タレントについて、著者のたけしとの関わりや、その才能などについて、率直に自分の感想を述べていて、興味深く読めます。
◆ 爆笑問題の太田光
◆ ダウンタウンの松本
◆ 脳科学者の茂木健一郎
◆ 石坂浩二
◆ タモリ
◆ 所ジョージ
◆ 明石家さんま
◆ 鶴瓶
◆ SMAP
◆ 吉本興業
この本の最後で、著者のたけしさんは、宗教や「死ぬこと」についても述べていて、結論は、「なるようにしかならない」というもので、要は、ものごとは流れであり、「結果論」だということ。
つまり、「しょうがねえなあ。」と言って、受け入れるしかない、というものです。それで、今に至る、というわけです。
最後に紹介されている質問と答えも、以下の通り、たけしさんを象徴する応答です。
「もう一度生まれ変わったら何になりたいですか?」
バカな質問、としたうえで、「もう一回生まれてきたいわけないだろう。」って答えます。人生なんて一回経験すれば十分なんだ、というわけです。
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では、今日もハッピーな1日を