「お金が不安なのは、足りないからとは限らない」― その思い込みを、データで静かにほどいてくれる一冊です。

本日紹介するのは、データ分析・活用コンサルタントとして活躍し、YouTubeチャンネル「謎解き統計学 サトマイ」でも人気を集める佐藤舞さんが書いた、こちらの書籍です。

佐藤舞『あっという間にお金はなくなるから 「足りない病」の原因と治し方』(KADOKAWA)

「いくら貯金があれば安心なのかわからない」「節約するとストレスがたまる」「周りが自分よりお金を持っている気がして焦る」― そんな “お金のモヤモヤ” を抱えている人は、決して少なくありません。

本書がユニークなのは、節約術や投資ノウハウを教える本ではない点です。また、「心の持ちようが大事」といった精神論でもありません。お金に対する不安を、統計データと心理の両面から分析し、「足りない病」という現代人特有の感覚の正体を解き明かしていきます。

本書は、以下の5部構成から成っています。

1.「お金の不安」への4つの生理反応(①Fight or Flight、②Freeze、③Explore、④Drift)

2.世界にひそむ「お金の三大不安」ー ①老後資金はいくら必要か、②どんなときに金融トラブルに巻き込まれるのか、③投資のリスク

3.あなたの内に眠る10の「資本」(8+1+1)を掘り起こす

4.相乗効果を生む「自分資本」の育て方

5.「怖いけれど、大丈夫」と思える勇気

 

本書の前半では、「お金の不安」は感情や性格の問題ではなく、人間の生理反応や認知のクセから生まれることが示されます。ここを理解するだけでも、気持ちがかなり軽くなります。主なポイントは以下の通りです。

◆ お金の不安には、共通する生理的メカニズムがある

◆ 不安は「合理的判断」を簡単に狂わせる

◆ 稼いでも不安が消えない理由がある

◆ 比較が不安を増幅させる仕組み

◆ 不安は悪者ではなく、扱い方の問題

 

この本の中盤では、「どれくらいあれば十分なのか」という、多くの人が答えを出せずにいる問いに迫ります。お金だけに注目しない視点が、とても新鮮です。主なポイントは次の通りです。

◆ 世界共通で存在する「お金の三大不安」

◆ お金以外にも人は多様な「資本」を持っている

◆ 見落とされがちな10の「自分資本」

◆ 資本は単体ではなく、組み合わせで効いてくる

◆ 数字だけでは測れない豊かさの正体

 

本書の後半では、「それでもお金が怖い」と感じる人が、一歩踏み出すための考え方が示されます。不安を消すのではなく、共存する姿勢が印象的です。主なポイントは以下の通りです。

◆ 不安をゼロにする必要はない

◆「怖いけれど大丈夫」と思える状態を目指す

◆ 投資や行動を止めているのは感情である

◆ データは感情を否定せず、支えてくれる

◆ お金との距離感は「調整」できる

 

本書を読んで感じるのは、「お金の不安」は個人の失敗や努力不足ではなく、誰にでも起こりうる自然な反応だということ。そのうえで、どう付き合えば振り回されずに済むのかを、冷静かつやさしく示してくれます。

お金の知識を増やす前に、お金への “感じ方” を整えたい人、節約や投資に疲れてしまった人、そんな方にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【3993日目】