経済学の考え方の1つだけを使って、「失恋の痛みからの抜け出し方」や「彼(女)にアピールするには」などから、金利決定のメカニズム、大規模交通インフラなどの社会資本整備の理解の仕方まで、幅広く世の中の諸現象をわかりやすく解明している本があります。
本日紹介するのは、交通経済学、公共経済学が専門で、東京女子大学現代教養学部教授の竹内健蔵さんが書いた、こちらの書籍です。
竹内健蔵『あなたの人生は「選ばなかったこと」で決まる 不選択の経済学』(日経ビジネス人文庫)
この本は、「人間が作ってきた社会をよりよくすることが最終目的である」経済学について、その人間らしい行動を、そして人間くさい人間であるがゆえに作られたさまざまな社会制度やそれに伴う社会現象を「機会費用」という考え方で解き明かしています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.お金だけが費用ですか?
2.どうやって片想いの辛さから逃れますか?
3.あなたの命はおいくらですか?
4.どうやって彼(女)にアピールしますか?
5.なぜ割り込みは悪いのですか?
6.どうして利息を払っているのですか?
この本の冒頭で著者は、なぜ彼女がプレゼントしてくれた手編みのセーターを彼は大喜びするのか、という例を挙げて、「彼女が自分自身の楽しみのために利用できたはずの選択肢を犠牲にした価値」、すなわち「機会費用」が嬉しい、と説明しています。
経済学はお金のことを研究する学問だとしばしば思われていますが、この「機会費用」を採り上げただけでも、経済学はお金ではなく、人間の気持ちや幸せを扱う学問であることがわかる、と著者は言います。
これと同じように、「機会費用」という経済学の基本的な考え方の1つを使って説明できることとして、本書では次のような価値についても通説とは異なる解説や問いかけをしています。
◆ 専業主婦の家事労働
◆ 失業者の機会費用
◆ GDPで幸福を測ってよいか
◆ 遊休地は無駄なのか
◆ 片想いや失恋の辛さからどう逃れるか
◆ 人の命の値段はどう測るのか
◆ なぜ各駅停車でなく快速列車に乗るのか
◆ なぜ東京ディズニーランドで外国人をよく見かけるのか
◆ なぜ深夜タクシーに割増料金を払うのか
◆ どうして尊厳死を選ぶのか
◆ 接待を成功させるにはどうしたらいいのか
◆ どうやって彼(女)をホテルに誘うのか
◆ 人気ラーメン店が行列を放置するのはどうしてか
◆ どうして格安航空券が出回るのか
◆ どうして利息を払うのか
詳しい解説はここで書きませんが、すべて「機会費用」という考え方を柱とする経済学の理論で説明ができてしまいます。興味ある方はぜひ、本書をお読みください。
あなたもこの本から、人間らしさを扱う経済学の本質を理解してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を