「あがり症は治せない。だったら人から見えないように隠してしまえばいい。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザーの丸山久美子さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
丸山久美子『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』(同文館出版)
この本は、著者の丸山さんが15年かけて学んだ「プロっぽく見える話し方」のテクニックの数々を、誰でも簡単に使える形で、わかりやすく教えてくれる書です。
とくに随所に写真やイラストを入れて、分かりやすく解説されているので、誰でもすぐに実践できるような構成になっているのが特徴です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.あがりとの付き合い方
2.移動中にできる!【準備運動編】
3.本番直前!現場でできる!【準備運動編】
4.いよいよ本番!【登場シーン編】
5.いよいよ本番!【スタート編】
6.笑顔の作り方
この本の冒頭で著者は、私は今も「あがり」を克服できていません、と述べています。「あがり」を克服しなくても、人前で話すことはできるのです。
実は、「あがり」の前には必ず「緊張」が発生しているのですが、この「緊張」は、どうなるか分からなくて不安を感じながらも、逃げずにチャレンジし続けている証拠だ、と著者は言います。
丸山さんは「緊張はチャレンジの証拠」と思えるようになってから、緊張する自分をマイナスに捉えるのではなく、「チャレンジしていて偉い!」とプラスに捉えるようになったそうです。
そして、手本となる先輩たちを観察し、聞いてみたりした結果、「緊張していても、緊張していないように見せることができる」ことがわかった、ということです。
つまり、緊張との付き合い方を身につけていけば、あなたも人前で話すことを楽しめるようになる、とこの本では提唱しています。
まず、「準備運動編」で、移動中にできるテクニックとして、次の4つが紹介されています。
◆ ベロ回し
◆ ガムを噛む
◆ 口まわし
◆ 録音して耳から聞く
次に、同じ「準備運動編」で、本番直前にできるテクニックとして、以下の3つが紹介されています。
◆ トイレの個室で「ドーンと来い!」
◆ わざとアクビ
◆ 肩ほぐし
それぞれテクニックの詳細については、ぜひ本書を手に取って写真入りの解説をじっくりと読んで試してみてください。
とくに、トイレの個室で「ドーンと来い!」は、効果抜群だそうです。
続けて、いよいよ本番の登場シーンについて、次の8つのテクニックが紹介・解説されています。
◆ ジャケットのボタンはわざと空けておいて、名前を呼ばれたらボタンをひとつ閉める
◆ 椅子に浅く腰掛けて、「スッと見える」ように立ち上がる
◆ マイクスタンドから一歩下がっておじぎをする
◆ 演台を使って楽をする(手を置く、足の震えを隠す、原稿を見えないように置く)
◆ マイクをあごにつけて手の震えを止める
◆ 足をずらして立つ
◆ 手を後ろに組んで震えを隠し、胸を張る
◆ 遠くを見る(1番後ろの席の、さらにその奥を見る)
そして、いよいよ本番の「スタート編」では、次の10のテクニックが解説されています。
◆ 第一声の決めゼリフ「改めまして!みなさん!こんにちは!」
◆ 返ってきた挨拶を最後まで聞いてから、次の話を始める
◆ 名前の言い方は、「ゆっくり、ハッキリ+早口」の方程式で
◆ 「よろしくお願いします」と言って、頭を深く下げて、拍手をもらう
◆ 手の基本ポジションはヘソより少し上にしてジェスチャーを使う
◆ ジェスチャーは手のひらを外側に
◆ ジェスチャーで数字を出す時は、顔の横に出して、言い終わるまで止める
◆ パワーポイントのリモコンを持つ手は後ろに回す(リモコンをスクリーンに向けない)
◆ パワーポイント画面を指し示すときは、上から出す
◆ パワーポイントは紙芝居
◆ 質問に答えてもらうときは、答えを繰り返す
◆ 拍手は温かみのある贈り物
この本の最後には、「笑顔の作り方」が記されています。「笑顔」は、研修講師であれば誰でも研究して、日々努力をしているものですが、著者の丸山さんの説明はとてもユニークで、すぐに実践で使えます。
そして、さらに興味深いのは、「笑顔で写真に写る方法」まで解説してあって、これを、私はDAF9というイベントのステージで体験しました。
確かに効果は抜群です。笑顔に関するテクニックに関しては、ここでは敢えて内容を紹介しませんので、気になる方は、ぜひ本書を手に取って確認してください。
また、その他紹介した数々のテクニックについても、この本では写真がふんだんに使われ、著者の丸山さんがおそらく撮影には相当苦労したと思われる形跡も見られて楽しめます。
文章でお伝えするのはこれ以上、困難ですので、とにかく本書を実際に読んでみてください。
私もプロの企業研修講師ですが、ここで解説されているテクニックは、ほんとうに役に立ちます。緊張しない講師はいませんし、著者が言うように、緊張は決してマイナスのものではありません。
人前で話す立場にある人はもちろん、人前に立つと緊張や「あがり」で悩んでしまう人にはぜひ読んで欲しい一冊として、心から本書を推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を