「人生で最も幸福なのはいつ頃か-と問われたら、現代では70代ではなかろうか。その貴重な黄金時代を、人生70年時代の先入観のまま晩年として生きるのはあまりにももったいない。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1946年富山県生まれ、東京大学卒業後、総務省入省、内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事を歴任して、女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)になり、現在は昭和女子大学理事長・総長の坂東真理子さんが書いた、こちらの書籍です。
坂東眞理子『70歳のたしなみ』(小学館)
この本は、70代を「新しいゴールデンエイジ」(=人生の黄金時代)と位置づけ、今まで生きのびてきた健康や幸運に恵まれたことや支えてくれた人に感謝し、一日一日の新しいチャレンジに心を躍らせることを説いている書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.今こそ「いい加減」に生きる知恵を
2.始めるべきは「終活」ではなく「老活」
3.あなたにできることはたくさんある
4.品格ある高齢期を生きるために
この本の冒頭で著者は、人生の後半期を晩年としてではなく、たしなみを持って希望とともに生きていくには何が必要か、と問いかけ、著者が考える「70歳のたしなみ」として、次のことを挙げています。
1.機嫌よく過ごすよう努める
2.年齢を言い訳にしない、「今さら」「どうせ」「もう遅い」と言わないで、まだまだ成長の余地があると考え努める
3.今まで受けた恩を思い出し、感謝を忘れない
4.できる時にできる範囲で人の世話をする
5.周囲の人、若い人の良いところを見つけて褒める
6.キョウヨウとキョウイクは自分でつくる
7.人は人、自分の人生を否定しない、つらい経験があったから今がある
8.今こそおしゃれ
9.健康第一もほどほどに
10.孤独を楽しむ
これらの「たしなみ」はいずれも70代にとっては、以下の理由によりピッタリのものです。
◆ 30代、40代の頃のように仕事や子育てに追われることがない
◆ 50代、60代のように人生の新しいステージに対するあせりや不安も少なくなっている
◆ 今まで生きのびてきたのは健康や幸運に恵まれたからで、支えてくれた人に感謝するのが70代
◆ 自分の人生を少し高い視点から俯瞰し、総括する境地になれて、80代や90代に備える心の用意ができる
◆ 70代は次のステージへの出発点で、かつての還暦(60歳)という人生の節目にあたる
また著者の坂東さんは、70代の団塊世代が今行うべきは「終活」ではなく、「老活」あるいは「老前準備」だ、と述べています。
十分働いてきたのだから、社会はもっと高齢者を大切にすべきだと要求するより、自分たちは社会や若い世代に何ができるか考えなければならない、と著者は言います。
それは大それたことではなく、「美しい」「面白い」「素敵だな」と思うことを見つけて感動する、上機嫌で過ごすようにすることだそうです。
つまり、自分の利益だけ、自分の健康だけを追い求めるのではなく、これからの世代を応援する節度や慎みを持って一日一日を積極的に生きる、そうした「たしなみ」のある高齢者には、おのずと「品格」が備わる、ということです。
かつて『女性の品格』(PHP新書)というベストセラー書を世に出した著者の坂東眞理子さんは、いま70代の高齢者に必要なのは「たしなみ」だと言います。
あなたも本書を読んで、たしなみのある高齢者が増えることで、「歳を重ねるのも悪くない」と周りから励まされ、社会は温かくなり、快適になることを学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!