「人生において、生き方の再編を求められる時期が、少なくとも3度ある。」と述べて、いざ60代になってみると、どうしたらいいかわからないという人に向けて、大きな変化をどうやって乗り越えていくかを考えるためのヒントを提示している本があります。
本日紹介するのは、1955年生まれ、東京大学教育心理学科卒業、東芝の市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授を経て、現在はMP人間科学研究所代表で、心理学博士の榎本博明さんが書いた、こちらの書籍です。
榎本博明『60歳から めきめき元気になる人 「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』(朝日新書)
この本は、「具体的に自分にとっての高齢期をどのように受け止めたらよいのか、どうしたらイキイキできるのか」をつかむためのヒントを心理学的観点からちりばめた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.プロローグ 私たちは人生で3度路頭に迷う
2.高齢期への突入をどう受け止めるか?
3.居場所をめぐる葛藤の落とし穴
4.喪失の悲しみをどう乗り越えるか?
5.没頭できる「何か」はあった方がいいが、なくてもいい
6.これからの人生に希望を与えてくれる先人の言葉や生き方
この本の冒頭で著者は、「高齢期を生きていく自分の境遇をどのように受け止めたらよいのか。退職後は何をして過ごせばいいのだろう。自分の人生をどんな方向にもっていきたいのか。自分にとっての居場所はどこにあるのだろう。」という心の世界のあり方を考えるための指針を示していきたい、と述べています。
本書の前半では、「私たちは人生で3度路頭に迷う」および「高齢期への突入をどう受け止めるか?」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 人生における生き方の再編:➀青年期の出口、②中年期、③老年期の入口
◆ 最大のストレス源は「変化」
◆「残り時間」や「健康寿命」が気になる
◆ 生産性から解放され、「今を生きる」ことが可能に
◆ 取り替え可能な人材から唯一無二の個性的人間へ
◆ 欠乏欲求から成長欲求、自己実現欲求へ
◆ 納得する人生にしていくための「生みの苦しみ」
◆ 本を読むことは、自分の心を探求し、心の世界を広げる
この本の中盤では、「居場所をめぐる葛藤の落とし穴」および「喪失の悲しみをどう乗り越えるか?」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 心の張りのある生活に必要な「やりがい」と「居場所」
◆ 夫の「帰宅恐怖症候群」と妻の「主人在宅ストレス症候群」
◆ 居場所の有無によって生きがい感が違ってくる
◆ 創造性あふれる豊かな時間は孤独の時にやってくる
◆ 定年退職がもたらすアイデンティティの危機
◆ 役割喪失による気力の低下
◆「自伝的記憶」を豊かにする
◆ 認知能力の衰えが気になる
◆ 対象喪失によるストレス
◆ 誰かの役に立つことが救いに
本書の後半では、「没頭できる何かはあった方がいいが、なくてもいい」および「これからの人生に希望を与えてくれる先人の言葉や生き方」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 子ども時代や青春時代を取り戻すつもりで漂う
◆ 今から学ぶ楽しみを
◆ 生物学的下り坂と、人生の上り坂
◆ 大切なのは、自己の内面の充実である
◆ だれかのために役立とうとする「自己超越性」
この本の締めくくりとして著者は、「60代、70代は、喪失の時期でもある。健康・体力面の自信の喪失ということもあるが、何と言っても大きいのは、退職あるいは現役引退に象徴される社会的役割の喪失である」、と述べています。
貴方も本書を読んで、「退職不安」を吹き飛ばす秘訣を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3202日目】