「定年後の人生を豊かにするためには、現役時代と変わらず、『お金を稼ぐ、増やす、守る』ことが求められます。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1951年東京築地生まれ、早稲田大学政治経済学部を卒業し、三菱重工業に入社し、ベネズエラ駐在、米国ロサンゼルス営業所長を歴任、その後グループ会社役員を経て、CFP資格を取得して、2017年にサマーアロー・コンサルティングを設立、FPとしてのアドバイス業務を行い、現在71歳の現役ファイナンシャル・プランナーの浦上登さんが書いた、こちらの書籍です。
浦上登『70歳現役FPが教える 60歳からの働き方とお金の正解』(PHP研究所)
この本は、効率のよい働き方と自分の資産を少しでも増やす方法を知ることで、もう一度自分の生き方を考え、未来への準備を始めるための書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.60代は新たな人生の出発点
2.本当の自分と向き合い、やりたい仕事を捜す
3.定年後に向けての具体的な準備
4.年金はいくらもらえるか
5.節税のやり方
6.老後資金の増やし方
7.保険について知っておくべきこと
この本の冒頭で著者は、「第二の人生を充実させ、成功させるための秘訣は、以下の3点に尽きます。」と述べています。
◆ 事業をできるだけ長く続けること、そのために好きな仕事を選ぶこと
◆ 資産運用はインデックス・ファンドへの長期積立投資をベースに、焦らず、中断せず、少額でも長く続けていくこと
◆ 年金、税金、保険などの知識を身に付け、少しでも自分の手取りを多くする方法を身につけること
本書の前半では、「60代は新たな人生の出発点」および「本当の自分と向き合い、やりたい仕事を捜す」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 60歳からの人生は長い、定年後もお金を稼ぐ、増やす、守る
◆ 年金だけでは豊かな老後は過ごせない、前向きに働く
◆ 自分のキャリアを棚卸して何ができるかを考える
◆ 好きな仕事を選んで個人事業主として起業する
◆ 個人事業主ならいくら稼いでも年金は全額もらえる
この本の中盤では、「定年後に向けての具体的な準備」「年金はいくらもらえるか」および「節税のやり方」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 不要な保険はやめる
◆ 自分の年金額を調べる
◆ 年金は老後のベース収入で、生活設計の基礎
◆ 夫の死後、妻の年金収入は「夫の遺族年金」+「本人の基礎年金」
◆ 自分の寿命はわからないから、65歳から年金はもらおう
◆ 確定申告で税金が戻ってくる、ふるさと納税、各種控除を十分活用する
◆ 個人事業主の収入は事業所得になるので税制上のメリット大
◆ 青色申告をすると、年金所得との損益通算、青色申告特別控除などのメリット
◆ 自宅の一部を事務所にして経費案分する方法がある
本書の後半では、「老後資金の増やし方」および「保険について知っておくべきこと」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 投資は余裕資金で、手数料の安い投資信託で運用
◆ 投資は長期・積立・分散が基本、60歳なら十分な期間がある
◆ アメリカS&P500などインデックスファンドに10年以上の積立投資をする
◆ 低コストが投資成功のカギ
◆ 1,800万円に非課税枠が拡大する「つみたてNISA]をベースに積立投資
◆ 不動産は相続に有利
◆ 民間保険は社会保険の補完
◆ 高齢者の死亡保障は必須ではない
本書で提唱している個人事業主とした長く働き続け、「お金を稼ぐ、増やす、守る」というコンセプトは、私が拙著『定年後不安』(角川新書)および『定年ひとり起業』シリーズ3部作(自由国民社)にて提唱している「トリプルキャリアで生涯現役」とほとんど同じで、共感する部分が多くあり、深く感銘を受けました。
この本の締めくくりとして著者は、「この本のアイデアは、年金生活者であり、個人事業主でもある私自身が日々感じているメリットを読者の方々に伝えたいという発想から生まれました。」と述べています。
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では、今日もハッピーな1日を!【3210日目】