書評ブログ

『5秒で伝えるための頭の整理術』

「なぜ、私の話を聞いてもらえないのだろう?」という悩みを一発で解決します、と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、人事・戦略コンサルタント、HRストラテジー代表、日本人材マネジメント協会執行役員松本利明さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

松本利明『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社)

 

 

この本は、外資系コンサルティング会社人事改革や人材開発に25年以上関わってきた著者が、5万人のリストラと6,000人を超えるリーダーの選抜・育成をする中で分かった「話が伝わる方程式」を公開し、解説したものです。

 

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

 

1.何かを伝えたいなら5秒で決める

 

2.5秒で伝えれば誤解も防げる

 

3.トラブル時こそ5秒で収拾せよ

 

4.自分にも5秒で問い、修正する

 

 

 

この本の冒頭で著者は、マッキンゼー日本支社で開発された問題解決の「型」のひとつである、以下の「ソラ・アメ・カサ」を紹介しています。

 

 

◆ ソラ「空を見ると曇ってきた」<事実>

 

◆ アメ「雨が降りそうだ」<解釈>

 

◆ カサ「傘を持っていこう」<判断>

 

 

 

この問題解決の「型」は、私もロジカルシンキングの研修で登壇する際によく説明に使うものです。

 

 

ポイントは、「事実」(空を見ると曇ってきた)と「解釈」(雨が降りそうだ)を分けて考えること。

 

 

「事実」は誰にとっても同じ(前提)ですが、「解釈」は人によって異なるということです。そして、「解釈」が異なれば当然、「判断」や「結論」が違ってきます。

 

 

したがって、どういう「解釈」をしているのかをきちんと説明しないと、話が伝わらないのです。「解釈」が重要です。

 

 

ところがビジネスの現場では、往々にして、「ソラが曇ってきたからカサを持っていこう」のように、「事実」と「判断」(=「結論」)だけを述べて、「解釈」を伝えないことが多いのが実情です。

 

 

そうすると、人によって「解釈」や、常識だと思っていることが異なるため、言われた「判断」(=「結論」)について疑問が残り、納得できないことになります。

 

 

 

世の中のコミュニケーションの齟齬(不一致)の多くは、こうした「解釈」の説明不足に起因している、というのが私の実感ですし、本書でも「解釈」の重要性を強調しています。

 

 

 

次に著者は、「ソラ・アメ・カサ」はどの順番でも機能する、と提唱していて、例えば「結論」から伝えることはよくあります。

 

 

 

そのほか、「ソラ・アメ・カサ」の活用について、次のようなポイントを説明しています。

 

 

◆ 話がかみ合わないときは、①テーマを確認し、②アメをすり合わせる

 

◆ 主語は「みんな」にすることで責任の所在をぼかす

 

◆ 必要以上に期待しないことで「断られる」ことへの免疫力を高める

 

◆ B案のメリットを最後に持っていくことで、こちらのシナリオに乗せる

 

◆ アメ(解釈)は省略せず、声に出して確認する

 

 

◆ ソラ・アメ・カサなら「相手への気遣い」など余計な言葉がカットされ短文で伝わりやすい

 

◆ 「仮説ですが・・・」と最初に言うことで、外した時のダメージを最小化する

 

◆ 時代分析を活用して先見性を養う

 

◆ 箇条書きにしてソラ・アメ・カサに入れて分かりやすい文章を書く

 

◆ 「確認ですが」と言えば、傷つかずに上位層の意図を確認できる

 

◆ 最初のひと言で聞く耳を持たせ、味方だと思わせる

 

 

 

本書の後半では、トラブル時に「ソラ・アメ・カサ」をどう使えばよいかが解説されています。ポイントは以下の通り。

 

 

◆ 「ソラ・アメ・カサ」でトラブルの全体像を整理して伝えることでトラブル解決までの時間を短縮する

 

◆ 共通の敵を探して、対立先を仲間にしてしまう

 

◆ 「こうしましょう」と寄り添う一言を発することで合意を得る

 

◆ プレッシャーやストレスを受け流す術を行使し、5秒で冷静さを取り戻す

 

◆ クレームを「信頼を高める機会」と考える

 

◆ 性善説で接し、性悪説で細かく確認する

 

 

 

この本の最後で著者は、「ソラ・アメ・カサ」で自分のPDCAを問うと、5秒で修正ポイントが分かることを説明しています。その際のポイントは次の通りです。

 

 

◆ PDCAをゆっくり大きく回すことで、本質的な課題を浮かび上がらせる

 

◆ 力の「入れどころ」と「抜きどころ」を押さえる

 

◆ モノマネして欲しい思考回路を手に入れる

 

◆ 内省する論点を紙に書き出してから振り返り、行動を修正する

 

◆ チェックする時は同じ方向ではなく、逆から見る

 

◆ 内容により、数値がいいか、達成された状態がいいかを使い分ける

 

◆ PDCAのAjust(改善・修正)をする時は「どうすれば解決するか」を最初に考えて課題と打ち手を詰める

 

 

 

あなたも本書を読んで、「ソラ・アメ・カサ」というシンプルで誰でも簡単にすぐ身につく「ポータブルスキル」(=どこでも通用する「仕事を前に進めていくスキル」)を手に入れませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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