社会構造、政治、経済、戦争、ビジネスほか、気になるテーマを世界・日本両面から徹底的に紐解いた「衝撃の未来予測」を行った本があります。
本日紹介するのは、認知科学者、計算機科学者の苫米地英人さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
苫米地英人『２０５０年衝撃の未来予想』（TAC出版）
この本は、５年後１０年後の予想ではなく、今まさに開発中の技術の特許が切れる２０年先、さらにその技術が一般化し、社会に本質的な変化をもたらす３０年先、４０年先を予測する、スケールの大きな書籍です。
本書は以下の８部構成から成っています。
１．２０５０年の大局観－来るべき時代の姿
２．２０５０年の社会－超格差社会とバーチャル国家が誕生する未来
３．世界の支配者とは一体誰なのか？－未来の支配構造を理解する前に概観する
４．２０５０年の勢力図－サイバー独立国の誕生
５．２０５０年の戦争の形－サイバー戦争の先にあるもの
６．２０５０年の生き方術－頭の中に革命を起こせ
７．２０５０年の日本－生き残るには生産性を上げるしかない
８．トランプ後の世界の行方－アメリカ新大統領誕生で激変する国際情勢
本書の冒頭で著者は、２０５０年には、「６０代、７０代は働き盛り」「９０代でも若造」の時代になっている、と予想しています。
これは、現在までの日本人の平均寿命の伸びを考えてみると、かなりの確率で的中するだろうと思われます。
１９２５年、今から９０年前には、男性の平均寿命は４２歳で、３５年後の１９６０年に６５歳になりました。さらに５０年後の２０１４年には８０歳です。
つまり、１世紀も経たないうちに平均寿命が約２倍になっている、ということです。このままいけば、２０５０年には平均寿命が１１０歳、１２０歳という時代になってもおかしくない、と本書では述べています。
これは社会に革命的な変化をもたらす大きな要因ですし、私たちの人生観や人生設計も根本から変えなくてはなりません。
政府が提唱し始めた、「１億総活躍社会」の意味するものは、実は１００歳を超えても働き続けて、年金をもらう側ではなく払う側に回りましょう、ということかも知れません。
また、本書の予測の中で何度も登場するキーワードは、「国家という概念の消滅」です。技術の進歩と、仮想通貨の流通により、国家という形態自体が存続を脅かされる、としています。
そして、２０５０年の「三種の神器」とは、次の３つだ、と指摘しています。
◆ 人工知能
◆ 人工知能を脳で直接操作するインターフェース
◆ 遺伝子操作
そうした中で、本書における最も特徴的な予想は、「サイバー独立国の誕生」です。
そして、世界の地図は、「国家対金融資本」という構図から、「金融資本家による巨大サイバー国家対独自の通貨を持つサイバー独立国」という構図に移行する、と著者は言います。
また、２１世紀の戦争の形は、その勝敗が事実上サイバー空間で決する「サイバー戦争」へと変化した、ということです。
つまり、かつて陸戦・海戦が主だった時代の戦争は２次元でした。そこに第二次世界大戦以降、空戦・ミサイル戦が加わり３次元となり、さらにコンマ数秒の誤差が命取りとなる電磁兵器や超音速ミサイルの開発により時間軸が加わって４次元になりました。
さらに現在、水面下で勃発している第三次世界大戦においては情報空間が加わり、戦争のレベルは５次元へと突入しています。
したがって、２０５０年に向けての戦争は「ハッキング合戦」です。それも「国家を超越した通貨発行権を握るサイバー企業」対「物理空間の通貨価値を保持しようとする国家」、さらには、「サイバー企業」対「サイバー企業」といった構図の戦争になるそうです。
こうした２０５０年に向けての予測の中で、本書で提唱しているのは、①日本独自のＯＳ開発をする、②金を稼ぐためではなく、やりたいことをやる、③生産性を上げる、といったことです。
本書の最後には、トランプ後の世界の行方が展望されていて、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中国などがどのように変わるかを分析しています。
あなたも本書を読んで、２０５０年を正しく予想して、日本にしか果たせない役割を考え、生き残る思考法を身につけてみませんか。
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では、今日もハッピーな１日を
