書評ブログ

『1日1戒 良寛さん』

「自分が人にどんな印象を与えるか。そのうえでいちばん大切な要素は『話し方』だと私は考えています。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授、庭園デザイナー枡野俊明さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

枡野俊明『1日1戒 良寛さん』(自由国民社)

 

 

この本は、話し方のコツを、良寛さんが残した90の「戒語」日常生活に活かすことだと気づき、1語ずつ解説を加えながら紹介している書です。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.人はみんな自分の話がしたい

 

2.相手の話を聞いていますか

 

3.その一言がルール違反

 

4.老若男女、知らず知らずにクセが出るもの

 

5.「伝え方」ひとつでいい結果に変わる

 

 

 

この本の冒頭で著者は、良寛さんの「戒語」について、良寛さんが越後の山中にみずから「五合庵」と称した粗末な庵を結び、近隣の村人と、それこそ、老若男女の別なく、心で接した日々の暮らしのなかで、話し方について、ふと気づいたこと「戒」戒めとして紙に書き、自戒の意味も込めて、庵の鴨居などに貼っていたもの、と説明しています。

 

 

 

戒語はどれも短いものですが、すべて日常生活に活かすことができる、と著者は言います。

 

 

そして本書では、日常のどんな場面、局面で、どのように活かしたらいいのか、著者の枡野さんなりの考えを記しています。

 

 

 

まず最初に、「人はみんな自分の話がしたい」ということについての「戒語」を紹介しています。私が共感し、心に響いた言葉は以下の通りです。

 

 

◆ 言葉の多き

 

◆ 口の早さ

 

◆ 話の長さ

 

◆ 問わず語り

 

◆ 講釈の長さ

 

 

 

続いて、「相手の話を聞いていますか」については、次の「戒語」が印象に残りました。

 

 

◆ 人の物いいきらぬうちに物をいう

 

◆ よく心得ぬことを人に教える

 

◆ ことごとしく物をいう

 

◆ ことわりの過ぎたる

 

 

 

さらに本書の後半では、ルール違反セ、そして「伝え方」についての戒語が紹介・解説されています。私が共感し、戒めたいと感じた言葉は以下の通りです。

 

 

◆ 言葉とがめ

 

◆ 物知り顔にいう

 

◆ さしたることもなきことをこまごまという

 

 

 

◆ 老人のくどき

 

◆ ひきごとの違う

 

◆ 押しの強さ

 

◆ 品に似合わぬ話

 

 

 

◆ 間のきれぬように物いう

 

◆ さしてもなきことを論ずる

 

◆ うわの口をきく

 

 

 

良寛さんの「戒語」はどれも、日常生活において近隣の村人と「心で接する」中で気づいた実際の「戒め」なので、その実践は人間関係を円滑にすることばかりです。

 

 

 

良寛さんをもっともよく象徴する言葉として「清々しさ」を著者は挙げています。あなたも本書を読んで、良寛さんの90の「戒語」から、「話し方」を変え、人生を変えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!