書評ブログ

『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』

世界に600人しかいない「ビリオネア起業家」の共通点を調査して分析した結果、意外な実態を明らかにしている書があります。

 

 

本日紹介するのは、世界的コンサルティングファームのPwC(プライスウォーターハウスクーパース)のパートナー2名、ジョン・スヴィオクラとミッチ・コーエンが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

ジョン・スヴィオクラ&ミッチ・コーエン『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』(ダイヤモンド社)

 

 

この本は、2012年のフォーブス世界長者番付から「資産10億ドル保有者」(=ビリオネア)リストを入手して、本人の実力とは無関係な理由(相続・結婚など)で成功した人を排除した中から、公正な手段で自力で稼いだビリオネア600人を対象に、調査・分析を行った書です。

 

 

対象者600人の中から、さらに地域や業種に偏りが出ないようにランダムに120人を抽出して、本書では詳しく調査・分析を行っています。

 

 

本書の冒頭で著者は、まず「ビリオネア」にまつわる7つの誤解について指摘しています。以下の7つですが、いずれも誤解であり、事実は違うと著者は言います。

 

 

1.若くして成功した

 

2.IT長者である

 

3.ブルーオーシャンの開拓者

 

4.一発当てた人

 

5.モラルが低い

 

6.一夜にして大成功をおさめた

 

7.天賦の才能に恵まれている

 

 

マイクロソフトのビル・ゲイツや、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグのようなIT長者が有名なので、若くしてIT分野で莫大な財産を築いた人が多い、という誤解がありますが、40歳を過ぎてから起業した人も多いし、7割以上が30代以降に成功のキッカケを掴んでいます。

 

 

また業界としてはIT・テクノロジー業界は全体の2割で金融分野消費財分野とあまり変わらない、という統計が出ています。今回の調査対象となったビリオネアでは、19業種におよび内容も多種多様ということです。

 

 

また、INSEAD(欧州経営大学院)教授W・チャン・キムレネ・モボルニュが著書『ブルーオーシャン戦略』(ダイヤモンド社)で提唱している、敵のいないマーケットを見つけ出して成功した、というイメージも誤りで、成熟した業界の中で、デザインや価格など、一見ささいな差別化で価値を生み出している、と言います。

 

 

 

 

レッドブル社デートリッヒ・マテシッツ飲料業界ユニクロを展開するファースト・リテイリング柳井正アパレル業界でいずれも成熟した業界です。

 

 

その他の誤解についても、ビリオネアいくつもの事業を成功させているし、社会的責任への意識は高く、長い間の試行錯誤を経て成功に至っています。天賦の才能についても、数多くの経験を通して、スキルを磨き、努力して才能を伸ばした、と著者は結論づけています。

 

 

 

では、何がビリオネアになれるかどうかのポイントかというと、本書によれば「内面」(=マインド)だということです。

 

 

それこそがビリオネアの本当の特徴で、それが本書の構成にもなっています。本書は以下の7部構成から成っていますが、以下の2~6番目にある「5つのマインド」ビリオネアに共通する真の特徴と言えます。

 

 

1.ビリオネアの嘘と真実

 

2.共感力と想像力で未来を描く-アイデア

 

3.最速で動き、ゆっくりと待つ-時間

 

4.創造的にルーティンワークをこなす-行動

 

5.現在の金銭的損失よりも将来の機会損失を恐れる-リスク

 

6.自分とは正反対の人を仲間にする-仕事相手

 

7.ビリオネア・マインドを組織に活かす

 

 

以上のビリオネア・マインドについて、本書ではさまざまなビリオネアの実例を見ながら、理解を深めるように丁寧な説明が続いています。

 

 

本書の冒頭には一部写真も掲載されていますが、実例として採り上げられている主な世界のビリオネアは以下のような方々です。

 

 

◆ ディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル)

 

◆ ジャック・マー(アリババ)

 

◆ 柳井正(ファースト・リテイリング)

 

◆ ジェフリー・ルーリー(フィラデルフィア・イーグルス)

 

◆ ジェームズ・ダイソン(ダイソン)

 

 

◆ サラ・ブレイクリー(スパンクス)

 

◆ エリック・レフコフスキー(グルーポン)

 

◆ スニル・ミタル(バーティ・エアテル)

 

◆ レズニック夫妻(ザ・ワンダフル・カンパニー)

 

◆ チャン・イン(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)

 

 

◆ マイケル・ブルームバーグ(ブルームバーグ)

 

◆ チップ・ウィルソン(ルルレモン)

 

◆ ハワード・シュルツ(スターバックス)

 

◆ ジョン・ポール・デジョリア(ジョン・ポールミッチェルシステムズ)

 

◆ ジョー・マンスエト(モーニングスター)

 

 

ビリオネア・マインドは、習慣と継続で誰でも身につけることができる、と本書では提唱しています。マラソンのランナーも最初からプロのランナーと並んで走れるわけではありませんが、練習すればフルマラソンを完走できるようになります。ビリオネア・マインドもそれと同じだ、と著者は言います。

 

 

誰でも練習すればビリオネア・マインドをある程度は身につけることができ、そうすればマネジャーとして、経営者として、起業家として、クリエーターとして、あらゆる場面で大きな価値を生み出すことができる、ということです。

 

 

あなたも本書を読んで、ビリオネア・マインドを身につけ、人生を大きく変えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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