ヒロ前田氏とＴＥＸ加藤氏は、ともにＴＯＥＩＣ受験指導では定評のある人気講師だ。英語力養成のための通信教育でトップのアルクで講座を開くこともある。
アルクは「ヒアリングマラソン」という通信教育教材が、多くのグローバルなビジネスパーソンや留学生を輩出してきた老舗英語教育機関だ。
本書は、ＴＯＥＩＣで高得点（８６０点以上）を取る英語上級者が、さらにその上のレベルを目指すための指針となる教材だ。ＴＯＥＩＣ９００点をターゲットにした教材や書籍は数多くあるが、９９０点より上を目指す教材は本書ぐらうだろう。
本書の特徴は、問題レベルを、ＴＯＥＩＣ高得点者が間違えるような難問に限定していることだ。さらに、ＴＯＥＩＣ満点より更に上の英語力を養成するために、トレーニング教材も提供している。
構成は、新ＴＯＥＩＣテストの問題形式に準拠していて、以下のようになっている。
１．写真描写問題 （ＰＡＲＴ１）
２．応答問題 （ＰＡＲＴ２）
３．会話問題 （ＰＡＲＴ３）
４．説明文問題 （ＰＡＲＴ４）
５．短文穴埋め問題 （ＰＡＲＴ５）
６．長文穴埋め問題 （ＰＡＲＴ６）
７．読解問題 （ＰＡＲＴ７）
８．ＴＯＥＩＣテスト ミニ模試
各章の冒頭に、ＰＡＲＴごとの攻略法が著者ふたりからアドバイスされており、参考になる。とくに問題に向かう際の準備や心構えは、ＴＯＥＩＣ高得点者には役立つ内容だ。
また、コラムとして、プラス α の真の英語力を付けるための学習法が紹介されていたり、ＴＯＥＩＣの真実と題して、スコア採点の仕組みが述べられているのは興味深い。
そして、最もモチベーションを掻き立てられるのは、ＴＯＥＩＣ９９０点達成者の声が紹介されているページだ。それぞれに、ＴＯＥＩＣ満点を目指すようになったキッカケや、その過程、今後の英語に向き合う姿勢が参考になる。
英語力をさらに上げたいＴＯＥＩＣ高得点者には、たいへん有益な書籍として、心から推薦したい。
