書評ブログ

ジョージ・ビーム『スティーブ・ジョブズ 夢と命のメッセージ』(知的生き方文庫)

ジョージ・ビーム氏は、長年、スティーブ・ジョブズの動向をリサーチしてきたジャーナリストだ。IT事情やポピュラー・カルチャーに精通し、これまでの30冊以上の著書がある。

 

本書は、米国で発売前から、アマゾンUSAにてランク入りする人気だった。日本語版も、ジョブズのメッセージをできるだけ多く知りたいというアップル製品の多くのファンに大きな反響を呼び起こした。

 

ジョブズは、われわれにいったい何を教えてくれたのだろうか。「人生は、がむしゃらに向き合うだけの価値がある」ということだ。本書の監訳者である竹内一正氏の言葉だが、私も全く同感だ。

 

では、本書で採り上げられたジョブズの言葉で、印象的なものを紹介しよう。

 

1.量より質が大事だ。二塁打二本より、一本のホームランのほうがずっといい。
2.過程に生きがいを感じる。
3.海軍に入るより、海賊になったほうがいい。
4.昨日のことをあれこれ悩むより、明日を生み出そう。
5.リスクを冒し続ける人は、アーティストであり続ける。ディランもピカソもつねにそのリスクを負い続けてきた。
6.もっと革命的な変化を起こしたいとずっと思っていた。どうしてかな。茨の道なのにね。

 
7.この分野で 「最初」 になるのではなく、「ベスト」 になる。
8.1000曲をポケットに。
9.テクノロジーとリベラルアーツの融合を常に目指してきた。
10.残りの人生を砂糖水を売って過ごすつもりか、それとも世界を変えるチャンスを手にするか?
11.革新的なことをすれば、失敗することもある。失敗はなるべく早く認めて、他のイノベーションを追及していくことだ。
12.マーケットリサーチはやらない。コンサルタントも雇わない。ただ、いいものを作りたいだけ。

 
13.情熱があふれるほどなければ、生き残ることはできない。
14.製品がすべてを語ってくれる。
15.テレビを観るのは脳のスイッチを切るためで、スイッチを入れたいときはパソコンに向かう ー それがうちの基本的な考え方だ。
16.ソクラテスと午後のひと時を過ごせるなら、私は持っているすべてのテクノロジーを渡してもいい。
17.僕の仕事は従業員に甘い態度を見せることじゃない。能力を高めることだ。
18.創造力とは、いろんなものを結びつける力だ。

 

詳しい解説は不要だろう。イノベーションを起こして世界を変えたいと考えている起業家は必読の書だ。すべての経営者に薦めたい。