大学受験英語は比較的得意だったが、私はリスニングやスピーキングは昔から苦手だった。早口のアメリカ英語でまくしたてられると全く聞き取れない。一度わからなくなると、途中から理解できるということはまずなく、最後まで何を言っているのか殆ど理解できないのだ。最後の単語だけが耳に残るといった感じだ。
マンツーマンの英会話スクールであるGABA渋谷校でも、いろいろなネイティブ講師と会話したが、全部聞き取れるという講師はひとりもいなかった。何度も聞き返すので、あきれられたり、諦めたられたりすることは何度も経験した。
そんなリスニング苦手の私が殻を打ち破るキッカケとなったのが、アルクの『ヒアリングマラソン』だった。英語の通信教育ではトップのアルクの教材は、その後いくつも使ったが、クオリティは確かだ。
とくに、『1000時間ヒアリングマラソン』は受講者数も多く、留学経験者やビジネスマンが数多く英語習得に効果を上げた教材である。約6万円と、決して安くはないし、しかも一括払いだ。教材は月1回届いて1か月間で繰り返しCDを聴いて添削問題を提出する方式だ。
ほかにも似たような教材はたくさんある。聞き流すだけで英語が上達すると評判のヒット商品もある。でも、私はアルクの 『1000時間ヒアリングマラソン』 はまったく別格のクオリティを持った優れた教材だと実感した。もちろん私はアルクの関係者ではないが、自分自身のリスニング力向上の効果だけでなく、のちに教材を譲った子供の英語力も飛躍的に伸びたから驚いたのだ。
長男は高校生から聴き始めたが、大学入試センター試験の英語は満点だった。長女はその後、中学生から聴かせ始めたのだが、高校1年の春に英検2級に合格し、高校卒業レベルの英語力になった。
私は海外勤務の経験はなく、子ども達はもちろん帰国子女ではない。親子3人が何年にも渡って使用しての6万円ということで、『ヒアリングマラソン』は我が家にとって格安の教材になった。
アルクの『1000時間ヒアリングマラソン』のどこが優れているのかというと、飽きさせない、継続しやすい工夫が随所に施されている点だ。音楽あり、ラジオ・ドラマあり、映画俳優へのインタビューありで、どこかに興味が湧いてくる。
毎年、教材は創り直しており、最新のものがもちろんよい。最新のトピックスやニュースがリアル感溢れる形で教材に取り上げられるからだ。
英字新聞の速読とアルクのヒアリングマラソンを両輪にして、私の英語力は1年間で急速に伸びた。それはTOEICスコアに表れていくのだが、次に私がTOEIC試験といかに格闘してきたのか、その軌跡を追ってみることにしよう。