何気ない会話に、その人の知性が現れます。難しい議論をしたわけではない、他愛のない世間話をしただけなのに・・・・。社会に出れば話し方ひとつで、仕事ができるかどうか判断されてしまいます。
皆さんは頭のいい人の「話し方」と頭の悪い人の「話し方」ではどう違うか、意識したことはありますか。今日紹介したいのは、その違いを整理した本です。
樋口裕一『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)
この本は、巷にあふれる愚かな話し方の実例をあげ、その傾向と対策を練って提案しています。「これでもか」というくらい、愚かな(=頭の悪い)人の話し方が紹介され、自分自身に置き換えて「ドキッと」させられます。
また実例の最後に、「周囲の人の対策」と「自覚するためのワンポイント」が掲載され、思わず吹き出してしまったり、身に詰まされる思いがしたりして、とても参考になります。
著者の樋口裕一さんは文章指導のプロで、「書くこと」と「話すこと」の共通項を見つけたことが、この本を執筆するキッカケとなったそうです。この本で採り上げている「愚かな話し方」の実例は以下の4つに分類されています。
1.あなたの周りのバカ上司-部下から相手にされない話し方
2.こんな話し方では異性が離れていく-だから女性に嫌われる
3.絶対に人望が得られない話し方-こんな人とはつき合いたくない
4.こんなバカならまだ許せる-この程度なら被害はない
私自身が反省を余儀なくされ気づかされた事例を中心に、以下に「愚かな」(=頭の悪い)人の話し方を紹介します。
1.道徳的説教ばかりする
2.他人の権威を笠に着る
3.自分の価値観だけですべてを判断する
4.根拠を言わずに決めつける
5.具体例を言わず抽象的な難しい言葉を使う
6.感情に振り回される
7.相手が関心のないことを延々と話す
8.人の話を聞かない
9.正論ばかりをふりかざす
10.感動癖がある
11.善人になりたがる
12.丁寧すぎる
13.視野が狭い
14.きれいごとの理想論ばかりを言う
15.現状を正確に捉えられない-心配性と能天気
全部で40の「愚かな話し方」事例が採り上げられていて、これらを読むと自分か、または周囲の人たちで思い当たることが実に多いことに驚かされます。
逆に、こうした事例に該当しない「話し方」が、「頭のいい人の話し方」になるということです。実例すべてを読み終わって感じることは、「バランス感覚が大切」ということです。
それには「多様な価値観」を認められる姿勢を持っていることと、「自分の価値観を知る」ということでしょう。それには「読書」が最も効率の良い「自分への投資」だと私は考えています。
では、今日もハッピーな1日を!