陰山英男氏は「百マス計算」をはじめとする反復学習から成る「陰山メソッド」の活用による小学生の算数教育を提唱し、一躍時の人になった教育者だ。
本書は、陰山氏の娘が東大に合格した軌跡を紹介した本だ。広島の普通の公立高校に通う娘が、模試で合格率20%以下のE判定から、いかにして東大合格を果たしたかの物語だ。
陰山メソッドの効果を示す意図が著者にはあったと思われるが、やはり子供の自慢をしたい気持ちもどこかにあったのではないだろうか。
自慢話なので読みたくないという声がある一方で、浪人して自力で合格を勝ち取った娘さんの体験記を興味深く受け取る読者も多いようだ。
陰山メソッドや父親のアドバイスよりも、東大合格はやはり本人の努力がすべてだ、という印象も受ける。
人によって受け止め方は異なるものの、たかが東大、されど東大である。東大受験を考えている人は読んで損はない。軽い気持ちで一読することを薦めたい。