書評ブログ

本田直之 『レバレッジ人脈術』 (ダイヤモンド社)

本日も、昨日に続いて本田直之氏の著書を紹介する。本書は、人脈を形成していくことにおける本田氏のポリシーを提示した書で、レバレッジ・シリーズの一冊だ。

本田氏によれば、人脈づくりにおいて最も大切なことは、コントリビューション (相手への貢献) ということだ。通常、ギブ・カンド・ギブだとかギブ・アンド・テイクなどと言うが、それでは本当の人脈は作れない、という。

また、人脈づくりの大前提として、相手の持つ以下の3つの価値をしっかりと理解し、尊重することが重要だ。

1.相手の時間価値
2.相手の情報価値
3.相手の人脈価値

相手はそれぞれ限られた時間を過ごし、努力の上で貴重な情報や人脈を構築している。これら貴重な財産を、まずはしっかりと尊重することが必要だ。

また、人脈づくりにおいて、以下の6つのタブーをおかさないように注意しなければならない。

1.名前も言わずにお願いする
2.相手の都合を考えないアプローチやコンタクトをする
3.自分の話しかしない
4.意味のない紹介をする
5.「お願い」 ばかりする
6.「メンター」 になることを依頼する

メンターを持つこと自体は決して悪いことではないが、相手に 「就任」 を依頼するものではないだろう。いわば 「心の師」 として、その人の本をすべて読んだり、講演会に何度も通ったりして、何か決断を迫られた時の心のよりどころにすべきものだ。

次に本田氏は、コントリビューション (貢献) のレベルとして以下の4つのレベルを挙げている。

1.情報 (広く一般に出ている新聞・メディア系の情報提供)
2.プレゼント (相手に合いそうな本のプレゼントなど)
3.ノウハウ・アドバイス (特定の相手に何か聞かれた場合の具体的なノウハウ・アドバイスの提供)
4.コネクト (相手の役に立つメディア、クライアント、パートナーなどの紹介)

さらに本書では、「会いたいと思われる人」 になるための条件として、以下の3つを挙げている。

1.インプット (常にインプットする人間であれ)
2.魅力的なプロフィール (相手に会ってみたいと思わせるプロフィール)
3.情報発信 (ブログ、メルマガ、本の出版など)

プロフィールや情報発信においては、パーソナル・ブランディングが重要だ。「私はこういう人間で、こんなことをしています」 ということが、しっかり書かれていることが必要だ。

とくに本の出版は個人にとって究極のIPOであり、本を出すことによって自動的に不特定多数の読者に対してコントリビューションができることになる。書店に自分の本が並ぶということは、そこに自分のプロフィールが置いてあるようなものだ。

本書の後半では、会いたい人にアプローチする方法、うまくコミュニケーションをとる方法、人脈を継続させる方法などが順次、書かれている。

思わず、「紹介したくなる人」 の5つの条件が面白い。

1.紹介を頼まない人
2.コントリビューション・ベースの関係でる人
3.相性が合う人
4.やりたいことが明確になっている人
5.マインドの温度差がない人

最後に、レバレッジ・ネットワークの構築により、お互いに成長していく効果について述べられている。同じ目標を持った仲間が切磋琢磨しながら、より高いレベルへとともに成長していくことが、究極の人脈メリットで、次の5つがある。

1.マインドが伝染していく
2.具体的にイメージができる
3.情報・ノウハウを共有できる
4.人のつながりを共有できる
5.自動的に成長していく

起業を志す人にはとくに本書の一読を薦めたい。