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小林玖仁男『運のつぼ77 人生に「大人勝ち」する術』(ワニブックスPLUS新書)

小林玖仁男氏は、1954年埼玉県出身で、北浦和の有名会席料理「二木屋」の主人だ。その古い由緒ある日本家屋は国登録有形文化財だ。

 

著者は、食を通じて古き良き日本の伝統を守り続けており、文化人の顧客も多い。小林氏は、店主の顔以外に、マーケティング論を修得し、絵画や書も嗜む多才な活動家で、講演も行い好評だ。

 

本書は、「人生、勝つ人と勝たない人の差はいったいどこにあるのだろう」という疑問に対して、著者が思い至った結論を述べた書だ。それはつまり、勝ち方とは「勝ち型」であり、勝たない人は「型ない人」だから、ということだ。

 

では、「勝ち型」はどうやったら得られるのか。やみくもに手足をバタバタさせてもだめで、型が見つかる「つぼ」がある、というのが著者の考え方だ。

 

本書は、以下の7部から構成されている。

 

1.「運のつぼ」 の準備
2.「運のつぼ」 の心得
3.「運のつぼ」 の発見
4.「運のつぼ」 のご利益
5.名人たちの 「運のつぼ」
6.「運のつぼ」 の教訓
7.「運のつぼ」 で勝つ

 

本書は、著者の波乱万丈の人生経験から、「どうしたら運を呼び込めるのか」といったコツを記したものだ。著者なりに、50年かかって会得した「運のつぼ」を伝えたくて、本書の出版に至ったという。

 

紹介されている77のつぼは、経験から来るものだけに、どれも重みがあるが、以下に少しだけ紹介しよう。

 

1.願えば叶うアファーメーション!
2.いちばん大事なのは勇気
3.「大人勝ち」 のススメ
4.「大人買い」 のススメ
5.昔が生きてくる

 

6.あの苦しみを忘れない
7.太い客
8.タクシーな人
9.ツキは平等、運は実力
10.一個だけ、負けないモノを

 

体に効く「つぼ」があるように、運を呼び寄せる「つぼ」がある、というのが、本書のメッセージだ。商売の真髄にも迫る、著者の含蓄ある77の至言をぜひ、多くの方々に味わっていただきたい。苦労している人にこそ、本書を薦めたい。