書評ブログ

定年起業でも『地方自治体に営業に行こう!』

「小さな会社でも売上増やすなら官公庁をねらえ!」と説く本があります。慶應義塾大学を卒業し、流通業などを経て国や地方自治体などをターゲットとしたコンサル業界で18年間のキャリアを持つ古田智子さんが書いた、こちらの書を今日は紹介します。

 

 

古田智子『地方自治体に営業に行こう!』(実業之日本社)

 

 

 

この本は、建設・土木以外のいろいろな分野で自治体と民間企業が取り組んでいるたくさんの仕事、いわば「地方自治体ビジネス」の実態と、その市場に参入する上での営業活動について述べた書です。

 

 

 

本書は以下の7部構成により成っています。

 

 

1.時代はこんなに変わった!求められているのは対等な「ビジネスパートナー」

 

2.おどろきの間口の広さ!地方自治体のお仕事徹底紹介

 

3.そもそもお役所ってどんなところ?

 

4.地方自治体とお仕事をしよう

 

5.徹底攻略!お仕事の受注に欠かせない「予算」の基礎知識

 

6.お仕事はこうして獲得しよう

 

7.最高に信頼されるビジネス・パートナーになる方法

 

 

本書の冒頭で、実績ゼロ、経験ゼロの寄せ集め軍団が、港区の発注する「委託業務」の企画コンペに応募し、企画提案書の1次選考と、プレゼンの2次選考を突破し、受注を勝ち取るドキュメンタリーが掲載されています。

 

 

これを読むと、臨場感あふれる、地方自治体の仕事を獲得する魅力に心動かされます。そのあとの、「地方自治体ビジネス」についての説明の導入として、とても分かりやすい事例です。

 

 

本文では、官公庁ビジネスに関する4つのトレンドが紹介されます。以下の4つです。

 

 

1.市民のニーズが多様で複雑になった

 

2.行政改革の必要からすべてを公共で抱え込めなくなった

 

3.地域の産業振興を薦める必要性が高まった

 

4.ICTの普及で官公庁の仕事が厳しい目にさらされるようになった

 

 

以上のトレンドから、地方自治体は、対等なビジネスパートナーを求めるようになっています。

 

 

そのあと、具体的な官公庁という組織の特徴や、意外に広い間口について、著者の経験が惜しみなく披露されていて参考になります。

 

 

最後に、地方自治体が発注する入札や企画コンペをいかにして勝ち抜くかという具体的な手順ノウハウが示されていて参考になります。

 

 

募集から決定まで、時間との闘いになりますし、実力勝負の世界、実績主義の世界というところもあります。

 

 

本書は、初めて役所の仕事を手掛けたい、役所の仕事に参入したいという、スモールビジネスの経営者には最適の入門書になるでしょう。

 

 

ぜひ、地方自治体とのビジネスに関心を持って、本書で学ぶことをお薦めします。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!

 

 

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