明治維新のような、価値観が一変する時代に突入し、2022年までに日本は大変化すると提唱している本が出ました。ダイレクトマーケティングの第一人者で、フォトリーディングやマインドマップを日本に持ち込んだ神田昌典さんの最新刊を今日は紹介します。
神田昌典『挑戦する会社-世界を変えるビジネス実践法』(フォレスト出版)
この本は、神田昌典さんが「新たな伝説」を創るべく2013年に立ち上げた組織・通称名「THE実践会」のニュースレター『10 YARS GO』第1号~第15号の中から厳選したトピックが掲載されたものです。
本書は以下の7部から構成されています。
1.ビジネスの新たな伝説を創る
2.生まれ変わる日本への準備をしよう
3.新規顧客獲得と新規ビジネスへの鍵
4.お金のあり方、稼ぎ方も大きく変わる!
5.稼ぐ仕組みが大変化していく「V理論」
6.世界ビジネスが加速する時代へ!
7.あなたのビジネスを次世代型に変えるヒント
神田昌典さんは外務省出身で、独立起業して1998年に初めてニュースレターを発行したということです。17年前に始めたのが6名の会員だった「顧客獲得実践会」(のちに「ダントツ企業実践会」)です。
その後、『あなたの会社が90日で儲かる!』でビジネス書のジャンルを開き、さらに『非常識な成功法則』やフォトリーディングが作家兼評論家の勝間和代さんに紹介されて以降、ブレイクしました。
また神田さんは、トニー・ブザンによって開発された「マインドマップ」を日本に導入したり、現在は「フューチャーマッピング」という、ストーリーを用いることで行動シナリオや発想を導き出す思考フレームワークを開発して広げる活動をしています。
ほかにも、1年半前に「リード・フォー・アクション」という、フォトリーディングやシントピックリーディングをベースにした日本最大級の読書会ネットワークを運営しています。
本書では、神田さんが手がける様々なビッグプロジェクトや先進的な取り組みを行う会社が紹介されていますが、そのベースになっているのが、10年後の日本に訪れる「新たな潮流」です。
その潮流を著者は、10年後の日本は優雅な大国「GACEFUL JAPAN」と呼んでいます。それは、世界の向かう先が「人間の安全保障」となり、誰もが医療・健康分野に関わることになるということです。
具体的には、GRACEFULの頭文字を取った、以下の8つの潮流のことです。
1.G(Graying Society); 高齢化社会、ポスト資本主義のモデル社会
2.R(Reuse/Recycle/Reinvent); 循環型社会、物々交換、社会の再創造
3.A(Asia/Art); アジア経済圏、アーティスト
4.C(Communitu/Care); コミュニティの時代、ケア・ホスピタリティ尊重
5.E(Education/Empathy); 教育の時代、思いやり、共感
6.F(Free Agent/Finance); フリーエージェント、ネットッワーク型社会、新たな金融コンセプト
7.U(Utilities/Ubiquitous); エネルギー革命、ユビキタス社会
8.L(Legend); 誰もが英雄になる時代
この「GACEFU L JAPAN」のコンセプトを実践する会社として、本書では会宝産業株式会社という会社が紹介されています。もともとは石川県で自動車解体業を営む会社でしたが、創業者の近藤典彦社長が「静脈産業」と銘打って、産業から排出された不要物や廃棄物を再利用する事業を追及していきました。
その結果、農業や医療などに事業領域を拡大し、世界環境会議に招待されるまでに注目を集めたと言います。また、BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)という途上国における貧困層を対象としてビジネスを形にするためJICAから助成金も受けて途上国の人材を金沢へ招きました。
こうした会社の事例のように、成熟産業を成長産業に変えることは可能だし、世界を舞台にビジネスができるようになるのが、これからの時代の潮流だと、神田さんは提唱しています。
本書では、2020年の東京オリンピック開催に向けてのビジネスや様々なプロジェクトの紹介もなされています。定年前起業や定年起業をするには格好の時代になったと言えるでしょう。
皆さんもこうした時代の大きな変化という潮流に乗り、自らの事業を組み立ててみませんか。自分が主役の人生を切り開く条件は整っています。「定年前起業の時代」は、もうすぐそこまで来ています。
では、今日もハッピーな1日を!