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安東邦彦『社長が3ケ月不在でも成長する会社の作り方』(インフォレスト)

本書は、中小企業の経営者向けに書かれた、事業を成長させるためのコンサルティングを行っているような書籍だ。年中働きづめの社長では限界がある、というのが著者の主張だ。

 

ところが、中小企業経営者の90%は、社内で自分が最も働いており、自分しかできない仕事を数多く抱えてしまっている。そして、社員が何故、もっと働いてくれないのかと日々悩んでいる。

 

本書は、著者の安東邦彦氏が、米国の著名なコンサルタントであるマイケル・E・バーガー氏に出会い、米国サンディエゴで3日間のセミナーを受けて、自ら起業した会社を立て直した経験に基づいている。

 

マイケル・E・バーガー氏は、世界7万社以上のスモール・ビジネスをワールドクラスの成長するビジネスへと変革させてきた人物だ。米国の起業家向け雑誌の 『Inc.』 誌で、「世界ナンバー1のスモール・ビジネスの権威」と評されている。

 

マイケル・E・バーガーは、起業家向けバイブルになっている著書『はじめの一歩を踏み出そう』(世界文化社)で有名だ。その起業家向けの指導、コンサルティングには世界的に定評がある。その教えはシンプルだ。

 

1.職人として仕事をするのでなく、経営者として仕事をせよ
2.経営は学べる技術である
3.ビジネスは人生の目的地までの乗り物だ
4.ビジネスは改善するのではなく発明する
5.1万倍の成長をめざす
6.専門知識やノウハウでなく、ビジネスの原則を学ぶ
7.自分のための夢ではなく、顧客の夢を売る
8.将来像から現在を描く
9.顧客満足度を上げるのでなく、顧客不満足を解消する
10.問題の原因をシステムに求める

 

これらの教えは、ビジネスの原理・原則だ。3ケ月社長が不在でも成長する会社は、経営の原理・原則を踏まえた会社ということだ。

 

スモール・ビジネスの経営者はもちろん、すべてのビジネス・パーソンにぜひ読んでもらいたい本だ。