書評ブログ

加藤優子『ハワイのおさんぽ オアフ島編』(竹書房)

この本はハワイ・オアフ島の魅力を伝える素晴らしい写真集であり、解説本だ。プロ写真家の視点ではなく、普通の旅人や地元生活者から見た普段着のハワイが感じられる。

 

本は横長になっていて、写真も横に長く幅が広いので、実際に街に出て見る風景がそのまま広がっている趣なのだ。ハワイといえば海やビーチばかりが取り上げられるが、本書では郊外の通りとそこに並ぶ店舗や家並みが中心だ。

 

人々が行き交う様子、ハワイ郊外の道と周りの風景が自然に描写されている。私がとくに気に入っているのは、カパフル通り、モンサラット通り、ワイアラエ通りなどの店舗や街並み、人々の風景だ。

 

実際に何年も前に、ゆっくりと歩いて訪れたことがあるのだが、その時の様子が昨日のことのように蘇る。ワイキキの中心部、カラカウア通りやビーチウォーク通りなどは再開発で次々と変化していくが、郊外の通りは風景が変わらない。

 

本書は2006年8月の出版なので、7年も前の風景だが、郊外の街並みはおそらく今も写真と大きくは違わないだろう。ページをめくりながら写真をじっくり見て文章を読んでいると不思議と癒される。

 

撮影者 兼 著者の加藤優子さんも、出版社の竹書房も、それほど有名になっていないけれど、本書は私が最も好きなハワイ本のひとつだ。日本にいながらハワイを感じられる。

 

ハワイが大好きな人達みんなにぜひ読んでほしい、いや、手に入れてほしい貴重な一冊だ。