中谷英明氏は「ビジネス英語サバイバリスト」と名乗り、中小企業への経営支援や異文化コミュニケーション、グローバル人材育成の講師などの活動を行っている。
本書は、ビジネスの現場で頻繁に使われる表現を、場面別に紹介しているが、確かに中学英語だけで済んでしまう表現が多い。しかも無理やり易しい単語を選んでいるわけではなく、実際に最も使われる表現が中学英語ということだ。
主要なビジネス・シーンとして、本書では以下の分類ごとに、中学英語を使った表現を、ふんだんに紹介している。
1.やるなと思わせる会議
2.スライドより伝わる言葉のプレゼン
3.スムーズな時間調整
4.有利に進める商談
5.一歩進んだやり取りのメール
6.ビジネス文書
7.慌てない電話
8.評価がアップする上司へのアピール
9.戦略的な交渉
10.格好いい中学英語スレーズ
本書のいいところは、見開き2ページで読み切りになっており、忙しいビジネスパーソンが空き時間に目を通しやすい構成になっている点。
各表現の紹介では、伝えるニュアンスの解説に重きが置かれ、日本人が間違いやすい別の表現との比較など、実に分かり易く、また興味を引く内容になっている。
TOEIC満点の著者による、ビジネス現場でのサバイバル・ツールとして、本書はグローバル人材を目指すビジネスパーソンには大いに役立つだろう。英語力を上げたい全ての人に本書の一読を薦めたい。