頭の回転が速くなる「速読」は難しくないと説き、確実に身に付くトレーニング法を提唱している人がいます。本日紹介するのは40年以上の実績あるメソッドを公開したこちらの本です。
川村明宏・川村真矢『速読×記憶術トレーニング』(日本実業出版社)
この本は、「速読」のために必要な、あらゆるトレーニングを1冊に凝縮したもので、「読むスピードが速くなる体験を実感してください!」と著者は呼び掛けています。
著者の川村明宏さんは、「速脳研究会」という団体を設立して30年以上にわたって「速憶・記憶術」に関する研究と普及活動を行っています。
英語版速読術である「 eyeQ 」は現在、アメリカ国内における速読術等、能力開発関係の著作物市場でナンバーワンのシェアを有しているということです。
川村さんの専門分野は、「速脳」「速脳速読」「速脳速聴」「速読術」などの能力開発で、日本およびアメリカで多数の特許を取得している、と言います。
著者によれば、「頭の良さは遺伝する」と思い込んでいる人が多いが、それは間違いで、「誰でも本書を読んで確実に実行すれば頭が良くなる」と述べています。
本書は、トレーニングの手法を具体的に記した書ですが、準備を含めて以下の7部構成になっています。
1.あなたの潜在能力を「速読」で目覚めさせよう
2.速読をちゃんと身につけるとこんなに便利
3.速読×記憶術トレーニングを始める前に
4.トレーニング開始!眼筋と右脳を鍛えよう
5.次元の違うスピードで認識する力をつける
6.究極の速読術「ブロック読み」を身につける
7.「マルチ脳」をつくる記憶術トレーニング
本書のエッセンスは、脳の回路や働きをフルに発揮させること、すなわち「速読」によって頭の回転を速くするということです。また「速聴」によってもその能力は鍛えることができます。
眼からの刺激や耳からの刺激によって、脳が「高速情報」に順応できるようにトレーニングすればよい、という手法です。原理としては科学的なアプローチで理解できなくはありませんが、私が「速読」や「多読」を身につけたプロセスとは大きく違っています。
そういう意味で合う人も合わない人もいる手法ではないでしょうか。有名な「フォトリーディング」に、どちらかと言えば近い手法です。右脳の活用や眼筋の訓練などです。
本書の最後に出てくる「速憶術」について、耳慣れない方が多いでしょうから解説しておきます。これは「速読」しながら読んだ内容も「記憶」に留めておく力で、「速読力」と併せて「記憶力」も伸ばすのが「速憶術」となります。
「速憶術」が「速脳」の第一歩というのが著者の立場です。具体的なトレーニングの手法は本書を読んでいただければと思いますが、ユニークな訓練が並んでいます。
右脳、左脳といった「脳の仕組み」や、「速読」がいかに脳の能力開発に効果的かという点が学べるという意味で本書は一読の価値があると思います。
では、今日もハッピーな1日を!