90歳を超える「知の巨人」と呼ばれる外山滋比古さんが実践する「知的な老い方」が発表されました。「日々にわれわれは賢くなりゆく」と説く外山さんの人生集大成のノウハウです。
186万部のベストセラーで今なお売れ続ける『思考の整理学』の著者が「生き生きと老いる」人生と健康の秘訣が披露されています。今日の紹介本はこちらです。
外山滋比古『老いの整理学』(扶桑社新書)
この本は、「もっと前向きに生きたい」と考える高齢者の方にピッタリの「理想的な年の取り方」が分かる本です。本書は以下の5部構成になっています。
1.華麗なる加齢
2.感情を発散させる
3.日々にわれわれは賢くなるゆく
4.緩急のリズム
5.命を延ばす方法
著者の外山さんは今年92歳になる、「知の巨人」と呼ばれ、今も毎朝、ラジオ体操をして皇居のお堀周りを90分散歩する生活を送っています。
現役で執筆活動もされていて新刊書も次々に世に出ています。私にとっては「人生の師匠」のような存在で、こういうふうにありたい、と目標にする生活習慣です。
本書の中でとくに印象に残ったのは、上記2番めの「感情を発散させる」ということです。怒りを抑えて「ストレス」を溜めるのがとくに健康に良くない、というのは説得力があります。
「ストレス」はがんを始め、殆どすべての現代病の原因になっていると言われ、「よく笑う医者はよく治す」ということわざ、ヨーロッパの知識人は何百年も前にこしらえた、ということです。
「ドンマイ」という精神や、「ストレス・フリー」の生活を推奨しているのは、まさにその通りだと感じました。高齢者だけでなく、広く大人にとって、心身の健康の基盤になるのが、このストレス・フリーであると外山さんは言います。
次に構成の3部の「日々にわれわれは賢くなりゆく」の中にある、「老年の読書法」は興味深かったです。 仕事として本を読むのではなく、スポーツ、遊びとして読むと言います。
いい気持ちで面白そうな本、面白くないがためになりそうな本を読む。分からないところは飛ばす、気に入らないところも飛ばす。もちろん、最後まで読み切る必要はない、という具合です。
「風のように」読み、「風のように」考えれば、人間がひと皮むける、ということです。「風のように」生きれば、年を取って衰えることが少ない、「日々にわれわれは賢くなりゆく」には「風のように」生きる必要があります。
こだわりがいけない。ストレスを溜めるのはもっといけない、ということです。
毎日の生活習慣が人生をつくる、というのが私の座右の銘ですが、外山さんの生き方はまさに、私の理想とする生活習慣であり、年齢の重ね方です。
皆さんも、定年前起業や定年起業という選択肢とともに、この『老いの整理学』で外山滋比古さんが提唱する年の取り方を参考にしてみませんか。
では、今日もハッピーな1日を!