激変する日本・世界を「大前研一視点」で斬った書が発売されました。
本日紹介するのは、私のメンターのひとりである大前研一(BBT大学院大学学長、元マッキンゼー日本支社長)が書いた、こちらの新刊書籍です。
大前研一『大前研一 ニュースで学べない日本経済』(KADOKAWA)
この本は、20世紀の経済原論が通用しなくなった現代の「低欲望社会」における日本経済の問題を論じた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.今求められる教養は「本質を見抜く力」
2.世界と日本経済の「3大リスク」
3.好調経済国家・地域に注目せよ
4.染色体が異なる21世紀の企業たち
5.日本経済「低欲望社会」をどう生きるか?
6.迫りくる危機にどう立ち向かうか?
本書の中核になる議論は、上記2番目に挙げられている「3大リスク」についてです。それは世界全体に及ぶリスクであり、もちろん日本経済も大きな影響を受ける次の3つのリスクです。
◆ 中国経済の減速
◆ アメリカの利上げ
◆ 地政学リスク
中国経済については、GDP成長率が6%台としていますが、実はこの程度の減速ではなく、実態はゼロかマイナス成長ではないか、と著者は言います。中国の人口は2014年がピークで2015年から減少に転じました。
その影響は、①貿易、②資源、③金融の三つに大きく出ています。対中国向け輸出は激減していますし、中国の資源需要が落ちているため資源価格は低迷、さらに中国からは外国からの投資資金が凄い勢いで流出しており、主にアメリカへ回帰していると言われます。
また、AIIB(アジアインフラ投資銀行)についても、うまくいくはずがない、と著者は断じています。海外の公共事業は儲からないし、参加している欧州諸国も何も得られないだろう、ということです。
またアメリカの利上げについては、アメリカのみが景気回復しても他国への波及がなく、むしろ新興国からの資金流出などマイナスのインパクトが心配されます。
最後の「地政学リスク」については、IS(イスラム国)によるテロ活動が、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアにとっては脅威です。とくにシリアにミサイル攻撃をしているロシアについては、ロシア人が冬に行くエジプト、トルコ、タイの3ヶ国が標的にされる可能性が高い、ということです。
一方で、好調な経済を維持する国には、人口ボーナス期にある国々が多く、とくにメキシコとフィリピンが有望だ、というのが大前さんの見方です。当然、インドも注目すべき高成長国です。
また、本書では成熟時代のビジネスモデルとして「アイドル・エコノミー」という概念を大前さんは提起していて、要するに所有でもシェアでもない、「所有しない」時代への変化です。
そこでは、インターネットがエージェント(代理店)になる、という世界です。そのほかにも、日本社会の将来不安という特異な「心理面」や法人税率の低い地域を求める「染色体の異なる21世紀企業」の分析が興味深いものがあります。
あなたも本書を読んで、「低欲望社会」における世界や日本経済を分析してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を