書評ブログ

『「幸せ」について知っておきたい5つのこと』とは?

お金、人間関係、仕事など、一度は誰でも考えたことがあるものをテーマに、「幸福学」の最先端を解き明かしてくれる本があります。

 

 

本日紹介するのは、ふたりの幸福学のエキスパート、エリザベス・ダンおよびロバート・ビスワス=ディーナーが書いた、こちらの書です。

 

 

エリザベス・ダン、ロバート・ビスワス=ディーナー『「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室』(KADOKAWA/中経出版)

 

 

この本は、NHKで放送され、多くの反響をもたらした「『幸福学』白熱教室」の内容を再編成したものです。

 

 

行なわれた講義は全5回で、第一線で活躍する二人の研究者が、お金や人間関係などのテーマを解き明かしていきます。

 

 

二人のエキスパートが紹介する「幸福学」の最先端とはどんなのもなのかが本書を読めば分かり、「幸せの鍵」を見つけることができるでしょう。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。5回の講義と、最後に「幸福になるための質問」で締めくくっています。

 

 

1.幸福を見つける鍵

 

2.お金はあなたを幸せにしますか?

 

3.あなたの仕事と幸せの関係

 

4.挫折や逆境から立ち直るためには

 

5.幸せを導く人間関係とは

 

6.幸福になるための12の質問

 

 

 

ケーキをつくるのと同じように、「幸せ」にもレシピ(=必要な材料)がある、と本書ではダン博士が提唱しています。それは以下の3つです。

 

 

◆ 他人との結びつき (Social)

 

◆ 親切 (Kind)

 

◆ ここにいること (Present)

 

 

また、「幸福感」は永遠に続くものでなく2年で元へ戻ってしまうが、「寿命を長くする力」を秘めている、ということです。

 

 

そして、お金は「幸せ」とは関係がなくモノを買うより「経験」を買った方が人は幸福を感じる、という研究結果が出ています。

 

 

 

次に、仕事は「幸せ」に深いかかわりがある重要な要素ですが、レズネスキー准教授は、人と仕事との関係を以下のように大きく3つに分類しています。

 

 

◆ ジョブ (報酬を得るための労働)

 

◆ キャリア (経歴や向上していくための仕事)

 

◆ コーリング (お金をもらわなくてもやる社会的に意義のある天職)

 

 

本書では、3番目の「コーリング」(=天職)を目指す人には、他の2つとは明らかに違う行動があり、「ジョブ・クラフティング」と呼んでいます。

 

 

「ジョブ・クラフティング」とは、ポジティブ心理学において、「仕事に対する意識を修正していく理論」として知られていて、次の3つの方法があるとされています。

 

 

1.社会的な交流の質や量を見直す

 

2.仕事の意義を広げる

 

3.仕事のやり方や範囲を見直し手を加える

 

 

以上のような仕事に対するポジティブな感情は、人を行動的かつ友好にし、その結果として幸福感を高めてくれます。また、ポジティブ思考を持つことは、健康増進にもつながります。

 

 

 

次のテーマとして、挫折や逆境から立ち直ることについてですが、立ち直るコツは「受け入れること」だそうです。そして自分がどうして挫折と感じているかをじっくりと解釈することが大切で、これを認知科学では「メタ認知」と言います。

 

 

そして幸せを感じるコツは、すぐ目の前にある幸福に感謝することです。悲しいことが起きたら悲しむ、しかしその中で起きる「幸せ」は逃さない、ということです。

 

 

 

最後のテーマは、「幸せを導く人間関係」についてです。人は年を重ねるうちに、精神状態が安定し、人生満足度も上がっていきますが、それは長い人生経験から培った、物事に対する「受容性」のためです。

 

 

後悔から人生を逆算してみることを本書では提唱しています。2011年に発表されたオーストラリアで看護師をしていたブロニー・ウェア「死を迎える人たちの証言集」が紹介されています。

 

 

「人生で一番後悔していることは何ですか?」

 

 

多かった答えは以下の5つの順番です。

 

 

1.人に期待に応える人生ではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった

 

2.あんなに働かなければよかった

 

3.勇気を出して自分の気持ちを伝えればよかった

 

4.友だちと付き合い続ければよかった

 

5.自分が幸せになるのを許せばよかった

 

 

これら答えの中には、自分のしたことだけなく、人との関わり方についての思いが多くありました。人間関係は人生の幸福度に大きく影響する、ということです。

 

 

また「幸せに不可欠なのは人をサポートすること」と本書では指摘していて、これも真実をついているでしょう。

 

 

あなたも本書を読んで、ぜひ「幸せ」について改めて考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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