セミナー・研修プロデューサーが企業やエージェントの取材してまとめた「研修・セミナー講師が企業・研修会社から選ばれる力」に関する書籍が出版されました。
本日紹介するのは、原佳弘さんが書いた、こちらの新刊書です。
原佳弘『研修・セミナー講師が企業・研修会社から選ばれる力』(同文館出版)
この本は、講師の大競争時代に、仕事が減っていき、いつの間にか研修の仕事がなくなっていく講師と、華々しい活躍を続ける講師の間にある、「法則性」やポイントを指摘した書です。
エージェントのプロデューサーならではの「売れる講師」、「選ばれる講師」になるための方法が、具体的・実践的に書かれていて参考になります。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.クライアントに選ばれる、稼げる研修講師になろう!
2.研修・セミナー業界のことを理解しよう!
3.エージェントを知ることの重要性
4.企業が求める講師・コンサルタントとは
5.「またお願いしたい」と言われる講師になるために
6.選ばれる講師になるためのマーケティング戦略
7.将来も選ばれて稼げる講師であり続けるために
この本は、「選ばれる講師」になるためには何が必要なのか、ということを、購買(企業)側からのニーズを踏まえて書かれていると言う点で画期的な書です。
従来ある研修講師に関するビジネス書は、殆どが講義・講演に関する「プレゼン技術」や「事前準備」についてのノウハウ書で、範囲が広いものでも、講師の「身だしなみ」や「心構え」までです。
本書の中心は、講師が知っておくべき「営業活動」や「マーケティング」について、分かりやすく解説している部分です。
上記の構成で言えば6番目のところになりますが、マーケティングの全体像としてSTPと4Pについて解説されています。これはマーケティング理論では基本事項ですが、通常は大企業の経営戦略に活用される手法を、研修講師の営業に当てはめたところがユニークです。
STPとは、セグメンテーション(S)、ターゲティング(T)、ポジショニング(P)のことで、「誰に」、「何を」、「どのように」、価値(バリュー)を提供していくかという事業領域(=ドメイン、専門テーマ)のことです。
とくにターゲティングに関して、理由・意図・目的を明確化するために、次の4つの「軸」を挙げている点が講師にとっては有益です。
1.市場ニーズ・規模(Needs)
2.市場獲得性(Match)
3.自身の商品としての便益・効果性(Benefit)
4.自身が今後取り組んでいきたい領域かどうか(Will)
また、4Pとは、マーケティングの基本中の基本で、以下の4つです。
1.商品(Product)
2.価格(Price)
3.販促(Promotion)
4.販路(Place)
まずは、講師としての「商品戦略」であり、これを「商品力」×「解決力」として具体的に定義しています。そして「商品力」や「解決力」についてもさらにブレイクダウンして述べられていて、講師にとってはとても参考になります。
続いて、講師の「価格戦略」、「販促戦略」、「チャネル戦略」が順に具体的に解説されています。詳しく知りたい方はぜひ、本書をお読みいただきたいと思います。
このほか、私が感銘を受けた点は、なかなか全容を知ることのできない研修・セミナー業界(構成の2番目)や研修会社・セミナー会社の実態(構成の3番目)について、理解できた点です。
また、最後に記載されている「選ばれる講師が続ける自己研鑽」については、強い共感を覚えました。時代の最先端を行く「価値」(=バリュー)をクライアントに提供し続けるには「自己研鑽」が必須だと思っています。
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では、今日もハッピーな1日を!