平田未緒さんは、情報誌の記者、編集者を経て、パートやアルバイトの求人広告企業として定評のある株式会社アイデムにて3誌の編集に携わった。
豊富な求人メディアにおける実務経験から、多くの企業が採用に悩む現状に対する、ひとつの「処方箋」を示したのが本書だ。さすがに実務に詳しく、現在の企業の悩みをよく捉えている。
採用環境は今、大きく変化しており、昔のやり方をそのまま踏襲しているだけでは、定着し、活躍する人材の採用は覚束ない。本書によれば、まず企業の仕事は複雑になり、変化も激しくなっている。
一方、働く側の人材も、新卒の若者は少子化やゆとり教育により競争は回避され、ひ弱になっている。怒られたこともなければ忍耐した経験も乏しい。そんな人材が厳しいグローバル競争の只中にある企業に適応できない。
著者によれば、そんな中で成功する採用の最重要ポイントは、「相思相愛」ということだ。企業は応募者を想い、応募者も企業に働きたいという想いを抱くことだ。
本書の中盤では、効果的な募集広告、求人メディアから応募受付や面接の方法まで具体的に述べている。これからの人材採用はいかにあるべきか、という著者の持論で締めくくる。
やはり、採用してもすぐに退職してしまい定着しなければ意味がない。活躍する、「使える」人材を採用するには、「相思相愛」 が何よりも大切ということだ。
採用を行う企業や担当にとっての留意事項が本書には具体的に書かれている。すべての採用担当者に読んでほしい本だ。新卒正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトの採用にも応用できる真理を学ぶことができるだろう。