書評ブログ

丸子和浩&あゆみ『気がつけば夢のハワイ暮らし』(実業之日本社)

本書は、若い共働きのビジネス・エリート夫妻が、外資系企業の高年収を捨ててまで夢のハワイ島での暮らしを実現した物語だ。

 

ハワイ島に行って、夫婦ともにその自然の素晴らしさに魅せられ、衝動買いのようにコンドミニアムを買って住んでしまった、という夢のような実話だ。

 

一度行っただけでハワイの虜になる丸子夫妻の気持ちが、私にはよくわかる。だからこそ、本書には共感し、心惹かれるものがある。

 

ただ、誰にでも実現できるストーリーではないだろう。一番の問題は収入だ。ハワイではワーキング・ビザがなければ働くことも、永住することもできない。

 

著者は、フリーの仕事で日本での収入を確保しながら、ハワイ島と日本の二重生活を実現した。月21万円のハワイ島暮らしは、その後の為替レートの変動で翻弄されただろう。

 

円高なら豪華な暮らしが可能だが、円安になれば一気に苦しくなる。現地通貨での収入でないと、ドル円レートにより一喜一憂することになる。

 

それでもハワイ島の生活は心豊かになる魅力がいっぱいだ。私も一度、カイルアコナに3日間滞在したことがあるが、情緒のある素晴らしい街で、自然も豊かだった。

 

本書は、写真もふんだんにあり、家計簿や店の情報が詳しく書かれているなど、興味を魅かれる記述が満載だ。ハワイ好きには堪らない一冊と言えるだろう。

 

すべてのハワイ暮らしを夢みる人々に一読を薦めたい。